宮崎本格焼酎「赤霧島」(右奥)と「宮崎牛」を使った料理(手前)
 90回目のアカデミー賞公式メニューに、日本の国産和牛「宮崎牛」が採用される。授賞式直後に行われるアカデミー公認アフターパーティー「ガバナーズ・ボール」で特定地域の和牛が振舞われるのは初めてという。海外展開を狙う宮崎牛ブランドのさらなる躍進につながる快挙であることは間違いなさそうだ。

 今回の宮崎牛の採用を働きかけたのは、同県都城市出身でロサンゼルス在住の映画監督・プロデューサー、曽原三友紀さん。曽原さんは同市公認の「みやこんじょ大使」としてボランティアで活動している。「アカデミー賞公式シェフ」のウルフギャング・パックさんと親交のあった曽原さんはある時、宮崎牛が全国和牛能力共進会において3大会連続で内閣総理大臣賞を受けたことを伝えたという。
 アカデミー賞への宮崎牛提供にゴーサインが出たのは今年1月半ばを過ぎてから。「90回目の節目を迎えるアカデミー賞で使用するにふさわしい食材」としてパックさんは自身のケータリングチームへ紹介。曽原さんや県畜産課の後押しもあり、宮崎牛のブランド名がメニューに記されることとなった。
 4日のパーティー当日用の案内には、宮崎牛300パウンドを使用した3種類のメニューが紹介されている。

「宮崎牛」の旗を持つ「みやこんじょ大使」の曽原さん
 宮崎牛だけでなく、今回は都城市で製造された宮崎本格焼酎「霧島」もカクテルベースとして初採用となった。日本酒よりも知名度こそ低いが、当地でも焼酎ファンが増えつつある。そんな中での「霧島」採用に、曽原さんも喜びを隠しきれないようす。
 「宮崎を応援したい。まずは宮崎牛を世界に知ってもらうよう頑張っている。出身地の焼酎に対する気持ちも強く、たくさんの人に飲んでもらいたいという思いでお手伝いしている」
 宮崎の食材がハリウッドのセレブリティたちの味覚を楽しませてくれることに期待したい。【麻生美重】