鈴木、中根両氏が講演:世界に広がる日本庭園、歴史や特徴を紹介

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コミュニティーメンバーの「集う庭園」に生まれ変わった日本庭園「清流苑」

コミュニティーメンバーの「集う庭園」に生まれ変わった日本庭園「清流苑」

日米文化会館は、老朽化した日本庭園「清流苑」の改修作業を完了しこのほど、再開園を祝う記念式典を催した。日系社会を中心とした各界から来賓が参列し、「コミュニティーが利用できる空間」をテーマに美しく生まれ変わった庭園がお披露目され、米国ツアー中の能のグループが伝統文化を披露し、再開園の晴れ舞台に花を添えた。

同館理事のサンディ・サカモト氏があいさつし、日本文化を披露する舞台を備えたユニークな庭園は隣接するガーデンルームと調和を図り、美観と機能の両面を実現したことを強調した。

従来の「見る庭園」からさまざまな目的に利用可能な「集う庭園」にデザインを一新。中央に照明・音響装置を備えた舞台を設置し、日本文化が鑑賞できるように工夫を凝らした。「歴史的」と期待された式典での能のパフォーマンスだが、あいにくの雨で屋内の公演となった。

ガーデンルームは庭園の眺望に気を配り手を加えた。庭に面する壁を取り払い、ガラス扉を採用。縁側から庭を望むような仕上げとなっている。庭とガーデンルームはまた、結婚式や記念イベント、各種レセプションなどにも一般に開放され、利用費をメインテナンス費と文化振興に充てるという。

庭園の設計は、カリフォルニア州立ポリテック大学ポモナ校造園学科名誉教授の上杉武夫氏が再び担当した。同氏は、サンディエゴのバルボア公園やトーランスのカルチュラルアーツセンターなどの日本庭園を手掛けた権威ある造園設計士。今回のプロジェクトは、構想から5年(工期2年半)掛けて完結させた。

清流苑の作庭のアイデアは、国の名勝に指定され敷地が同じ三角の形状をした京都・無鄰菴の庭園。三角形の特徴をうまく使って(底辺から見た)遠近感を表現し奥行きを出した。また、丘陵地の高低差を生かして大小の岩を配し、石垣を作り立体感を強調している。

小川には3本の橋が架けられ、せせらぎには納涼の演出のみならず日系社会に向けた上杉氏のメッセージが込められている。丘陵の頂を源流とし、途中で二手に分かれるが、最後に一つになる。この発想は日系史を例えたもので、源流は一世、分岐が第二次大戦の日米関係、合流を現代の日系社会のまとまりを表している。

また、地球と高齢者・身体障害者に優しいデザインとした。「Sustainable(環境破壊を最小限に抑えた開発・建設)」を重視し、循環水流式の小川は集水桝取り入れ節水、節電を果たした。小道は幅が広く傾斜を緩くして歩きやすくし、車いすも通ることができる。

ガーデンルーム横の庭は、狭く細長いスペースを有効利用し幅を取らない竹と石、砂を並べた枯山水。会館ビルの陰になると、わずかに光の差す竹林の趣を醸し出す。樹木は日系ナーサリーが寄付を申し出たほか、南加日系庭園業連盟が剪定(せんてい)するなど、上杉氏は日系社会からの「心意気を感じ、やりがいのある仕事だった」と語った。

ドイザキ・ギャラリーは一昨年に規模を縮小したが、日本庭園の改修にともないガーデンルームが活気づき、ひな祭や、華道、茶道、書道、盆栽の実演、大学教授による造園の講演などさまざまな日本文化啓蒙プログラムが新たに組まれている。

各種プログラムについては日本語で同館のケリーさんまで、電話213・628・2725、内線133。[email protected]

【永田潤、写真も】

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