JCHI:2看護学生に奨学金、日本語通じる医療の普及を

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 日系社会の医療分野に奉仕する非営利団体「JCHI」(日系コミュニティー・ヘルス・インク、会長=桜井フレッド医師)は4日、活動資金集めを目的とした昼食会をキョウト・グランドホテルで催した。米国内で日本語の通じる医療サービス増加に力を入れる同団体は席上、恒例となった日英両語を話すバイリンガル看護学生2人に奨学金を授与した。

桜井医師(左)から奨学金と記念の盾が手渡された岡田さん(中央)と千葉さん

桜井医師(左)から奨学金と記念の盾が手渡された岡田さん(中央)と千葉さん


 今年の受賞者は、エルカミノカレッジに通う千葉久仁子さんと、サイプレス・カレッジを卒業した岡田亜起さんの2人。桜井医師から奨学金と記念の盾が手渡されると、2人は日英両語でスピーチ。JCHIおよび日系コミュニティーの協力にあらためて感謝した。
 高校卒業後に渡米した千葉さんは、カリフォルニア大学アーバイン校で心理学を専攻し卒業。同分野を生かしながらさらに人助けをしたいと、現在看護学校で看護師を目指し勉学に励んでいる。
 千葉さんはスピーチの中で、「看護師は、体と神経の両方を生かして携わるとてもやりがいのある仕事」と、看護師になる道を選んだ理由を述べた。また、医療用語はネイティブにとっても理解が難しい点に触れ、「病気で不安な中、外国語で医師の説明を理解するのは患者さんにとって大きな負担となる。英語と日本語の二カ国語を使い、より多くの方の手助けをしたい」と抱負を述べた。
 日本で生まれ、カリフォルニア州で育った岡田さんは、幼稚園から4年生まであさひ学園に通い日本語を習得。人を助けることに喜びを感じる性格から、子供の頃から小学校の教師か看護師になるのが夢だったという。
 岡田さんはスピーチの中で、祖母ががんで入院した際、日本語を話す看護師が祖母の不安を和らげてくれた経験から、自身もバイリンガルの看護師を目指そうと決意したと述べ、バイリンガル看護師の重要性をあらためて強調した。
在米原爆被爆者健康診断への協力に感謝する米国広島・長崎原爆被爆者協会の据石和会長

在米原爆被爆者健康診断への協力に感謝する米国広島・長崎原爆被爆者協会の据石和会長


 あいさつに立った伊原純一総領事は、夏に脊髄の手術を受けた自身の経験に触れ、手術や治療を前に不安な気持ちの患者に対し、日本語で対応できる看護師がいることは重要だと述べ、「JCHIのお陰で南加に日本語を話すバイリンガル看護師がさらに増えてくれるだろう」と、同団体の社会貢献を称賛した。
 この日はまた、1977年から2年に一度南加で実施している在米原爆被爆者健康診断を先週終えたことを受け、「米国広島・長崎原爆被爆者協会」の据石和会長が、JCHIメンバー、またトーレンスのリトル・カンパニー・オブ・メアリー病院らの協力にあらためて感謝した。
ヤマウチ医師(右端)から感謝状を受けた看護師。左からサチコ・ワードさん、スミ・ペリオスさん、ジョーン・タニダさん

ヤマウチ医師(右端)から感謝状を受けた看護師。左からサチコ・ワードさん、スミ・ペリオスさん、ジョーン・タニダさん


 さらにJCHIは、同健康診断にボランティアで協力している看護師のサチコ・ワードさん、スミ・ペリオスさん、ジョーン・タニダさん、メリー・イサさんの4人に感謝状を贈呈した。当日出席した3人を前にジョージ・ヤマウチ医師は、「医療現場で医師が任務を全うできるのは、看護師のサポートがあってのこと」と、「縁の下の力持ち」役の看護師にあらためて感謝の言葉を述べた。
 JCHIは一九八五年、日系社会の医療分野に奉仕することを目的に設立された非営利団体。日系の医師や看護師、日系諸団体が主となり、日系社会の健康問題を支援している。主な活動内容は、▽毎月第三日曜日に日英両語で実施する無料健康相談▽バイリンガル看護師養成奨学金授与▽隔週土曜日に日本語での医療情報番組放送▽2年に一度実施の在米原爆被爆者健康診断▽大正クラブの健康フェア―など。
 詳細はホームページで―
 www.jchi.org
【中村良子、写真も】

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