MTC ・日本食レストランショー:「和食を極め、不況に対抗」

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試飲を勧める岩手県二戸市の蔵元「南部美人」の久慈浩さん(左)

試飲を勧める岩手県二戸市の蔵元「南部美人」の久慈浩さん(左)

 日本食総合卸売業者 「ミューチュアル・トレーディング・カンパニー」(MTC・本社ロサンゼルス、金井紀年社長)は、 東京共同貿易と共催した業界向けの見本市「日本食レストランショー」を3日、本社で催した。 今年は、過去20年間の実績を農林水産省が認めて支援金を提供、例年並みの1300人を超える参加者で賑わい、日本食の根強い人気をうかがわせた。
参加者に包丁研ぎを指導する築地正本の平野満雄社長(中央)

参加者に包丁研ぎを指導する築地正本の平野満雄社長(中央)

 今年のテーマは「和食を極める―不況に立ち向かう日本食文化」。外食産業全体が落ち込む中で、日本食業界はハイエンドの高級店から庶民の居酒屋、テイクアウト店に至るまでのラインナップで、幅広い客層に支えられ徐々に客を取り戻し他の業界よりも早く景気回復の兆しが見えている。
 レストランショーには約60社が参加し、自社の食品の試食・試飲、新製品のPRに努めた。瀬戸物や業務用品の販売のほか、地酒、包丁研ぎなどの各種セミナーを開き、創作料理も披露。また、「ULTS(超低温冷凍魚)」や冷凍そばが紹介され、生の食材とほとんど違いが分からない味に参加者は、日本の食品加工技術の高さを実感していた。
 ULTSのハマチを使った料理コンテストが行われ、有名レストラン各店からの4選手が職人芸を披露。その見事な包丁さばきや盛り付けを盗もうと、写真やビデオに収める熱心な板前が多く見られた。見学したスサマラブさんとシャラット・タタパングさんは、ともにロングビーチのフージョン系タイ料理店「YOUR HOUSE」に勤める双子のシェフ。同店では、2、3年前から野菜ロールや生魚のスパイシーロールを取り入れ2人は毎日巻き物を作っている。すしの注文は年々増え「これからは創意の料理が必要だ」と口を揃え、コンテストを食い入るように見ていた。
 金井社長によると近年、フランス料理やアジア各国のエスニック料理を出すレストランは、和の食材を使ったサラダや刺身、手巻きずしなどを組み合わせたフュージョン料理を創作し、メニューの幅を広げている。オーナーらは「和食を入れてよかった。売り上げが伸びた」などと喜び、ライバル店も成功事例に倣うという。
 地酒は、ブームに乗じた米系の卸売酒販業者の参入により、ライバルが増え競争は激化している。MTCは、商品販売のみならず「文化としての正しい日本食を啓蒙しながら提供したい」と、文化に精通した日系卸問屋としての強みを生かし他社と差別化を図る。今回の不況に対し金井社長は「日本食業界はみんな大変だが、これを乗り切ると強みになり将来につながる」と逆境をチャンスと捉え、参加者を激励していた。
 共同貿易については、電話213・626・9458。
 ウェブサイト―
 www.lamtc.com
 【永田潤、写真も】

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