バンクーバー五輪女子フィギュアスケート:米国代表の長洲未来を激励

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手作りの五輪ロゴ(後方)がムードを盛り上げる中、バンクーバーでの活躍を誓った長洲未来

 ロサンゼルス郊外のアーケディア市在住でバンクーバー冬季五輪女子フィギュアスケート米国代表の長洲未来(ながす・みらい)の壮行会が同市のキリスト教会で7日、開かれた。幼稚園の時から抱き続ける「オリンピックに出たい」という大きな夢を叶えた16歳は、支援者約200人の激励を受け檜舞台でベストを尽くすことを誓った。
 長洲は五輪代表に選出されるとは夢にも思ってもおらず「びっくりした。まだ、信じられない」などといい、実感は沸いていない。「勝つ」という気持ちを抑えて「緊張せずにリラックスして楽しみたい」。成績にこだわらず無欲で臨むのは、2014年のソチ五輪に照準を合わせているため。「大人っぽい滑りをして、みんなを『わーっ』と驚かせ、金メダルを穫りたい」と、早くも4年後を睨む。
 今回は重圧はなく、敢えて順位目標を言えば「10位以内に入りたい」。「でも、次の(ソチ)オリンピックで勝つ気持ちで行きたいので、(バンクーバーを)経験にしたい」。今五輪は「未来らしく未来のベストで滑りたい」と抱負を述べた。

寄せ書きにペンを走らせる長洲の後輩で「未来の未来ちゃん」を目指すちびっ子スケーター中原あかりちゃん(7)

 7日開かれた壮行会は活動資金のためのファンドレイジングも兼ね、自宅があるアーケディアと、スケートを始めた長洲の原点であるリンクがあるパサデナの両市長も出席。参加者から「がんばってね」の励ましの言葉を何度も掛けられたり、贈られたプレゼントの多さが期待の高さを物語っていた。
 長洲が所属するパサデナ・フィギュアスケート・クラブの少女スケーターら「未来の未来ちゃん」が多く応援に駆けつけた。長洲は写真撮影のリクエストに、あどけなさが残る「未来スマイル」で応え、サインするなどファンサービスに努めた。長洲が通ったパサデナの日系幼稚園「こどもの家」(サンゲーブリエル・梅畑和子園長)では、園児が先輩の演技をテレビ観戦し応援するという。
 長洲の両親はともに日本人で、アーケディアですし店「きよ鈴」を営む。父清人さんは茨城、母育子さんは長野出身。育子さんが練習の送り迎えと遠征に同行し、マネジャー役となって二人三脚で五輪の切符をつかんだ。
 「いつも、ハラハラ、ドキドキして見ている」と、娘の滑りを見守る育子さん。「氷の上に立つのは、未来。すべて本人次第で、われわれはサポートするだけ」と裏方を強調。5歳の時にゴルフからフィギュアに転じ資金難もあったが、全米ジュニア選手権を制して秀でた才能を開花させた長洲に所属クラブが活動資金集めに動いてくれた。

母の育子さん(左)と長洲

五輪代表入りが決定し、日系企業や和食店の日本人オーナーなどが祝い金として支援の手を差し伸べた。さらに、有志らが資金集めのための後援会設立に乗り出しており、育子さんは「ありがたい。みなさんの温かい心がつくづく身にしみる」と、感謝に耐えない。
 5歳から13歳まで長洲を指導した恩師スーザン・オースチンさんはこれまで、15、16人の五輪選手を育てた実績を誇る名コーチ。幼かった長洲を「とても才能があり、練習熱心だった」と振り返る。数多くの教え子の中で基礎から教えた初の五輪選手が長洲で「思い入れのある生徒なので、大会が楽しみ」と話した。
 競技活動には資金が必要なフィギュア界。これまで、そのほとんどすべてを長洲の両親が自費で負担してきた。五輪では尊敬する親に「今までいっぱいお金を出してきてもらったので、感謝の気持ちを見せたい」。長洲にとって夢の五輪は、親孝行を表現するためのステージでもあるようだ。
 長洲は12日の開会式出席のため11日から14日まで現地に滞在。一旦帰国し19日に再びバンクーバーに戻って最終調整に務める。23日にショートプログラムに臨み、25日の自由演技は「カルメン」に乗って銀盤を舞う。【永田潤、写真も】

長洲未来を囲む未来のオリンピック選手を夢見る少女たち

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