柴邦雄氏に旭日双光章:日本語教育、福祉向上の功績で

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「旭日双光章」を授与された柴邦雄氏

 日本政府の平成22(2010)年春の叙勲受章者で西南シニア・シチズンズ・クラブ会長、元日本語学園協同システム理事長の柴邦雄氏に対する伝達式が9日、ハンコックパークの総領事公邸で行われ、伊原純一総領事から「旭日双光章」と賞状が授与された。柴氏の功績は米国における日本語教育の充実と、日本文化の承継、日本人・日系人高齢者の福祉向上に寄与したことが認められての叙勲となった。

伝達式で伊原総領事(右)から勲章と賞状を授与された柴邦雄氏

 柴氏はカリフォルニア州出身。幼少の頃に両親の郷里静岡県に転居し高校を卒業後、帰米し農業、庭園業、製造業などに従事した。
 娘のグレースさんを通わせたことを契機に日本語学校「日本語学園協同システム」の運営に関与し、日本語・日本文化教育の拡充に尽力。「加州日本語学園協会」の活動に参画し、同協会の教科書管理委員長として、米国における日本語教育教材の刷新に貢献した。
 また、南加県人会協議会の運営に携わり、日本の文化や伝統行事の継承、若い世代の日系人による日系社会での活動への関与促進に尽力した。
 さらに、ロサンゼルス西南地域を中心に日本人・日系人高齢者向けの福祉団体「西南シニア・シチズンズ・クラブ」の会長に就任し、活動の再活性化、新プログラムを導入し福祉向上に寄与した。
 総領事は席上のあいさつで柴氏の経歴を紹介し、各団体で「指導的役割を果たしている」と称えた。「功績を挙げれば切りがない」とした中で、柴氏が刷新に取り組んだ教科書「やさしいにほんご」を評し「学ぶ人のバックグラウンドを踏まえている」。同書に柴氏の名前が記されてないことを指摘し「柴さんの性格、人柄をよく表していて感心する」と絶賛した。
 謝辞に立った柴氏は、せんえつとした受章を「みなさんの代表としていただいたので、喜びを分かち合いたい」と強調。「各団体へ恩返しするために奉仕に励みたい」と決意を新たにした。
 伝達式には約50人が参加し、柴氏の所属団体の代表が祝辞を贈った。柴氏が実行委員長を務める「歳末助け合い運動」を主催する南加日系商工会議所の半田俊夫会頭は、柴氏のスタイルを「団体の長になり率先して汗をかき、引っ張って行く。見習いたい」と敬意を表した。西南センター副会長のサム・カワタさんは、「行動的で会長に就任して内部のさまざまな問題を解決し、コンピュータクラスを開設した。各地の日系コミュニティーとも交流し、センターを楽しくし活気づけた」と、柴氏の業績に最大級の賛辞を呈した。
 柴氏は、数々の奉仕の中で印象に残る活動に教科書作りを挙げた。生徒が二世から三世、四世へと世代が移り変わる中で、教材の刷新を痛感。「現地の生徒の立場に立って」を心掛けた。旧教材の存続に固執した反対者を説き伏せるなど苦心。着手から完成まで3年を要し「たいへんだった」と振り返る。控え目な柴氏だが「50年間、今も使われていて、すばらしい教科書です」と、大いに胸を張った。【永田潤、写真も】

柴氏は50人の奉仕仲間と受章の喜びを分かち合った


伊原総領事(右)と乾杯する柴氏

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