物言いの導入を

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 先週、大リーグの試合でタイガースの若い投手がパーフェクトゲームを逃す「悲劇」に見舞われ同情が集まった。九回二死まで1人も塁に出さない快投を見せ、最後のはずだった打者に二塁ゴロを打たせた。偉業達成のはずだったが、判定はセーフ。チームの猛抗議も判定は当然、覆ることはなかった。際どい判定には相撲の物言いを取り入れればいいと強く思った。
 問題のプレーは何度もリプレーされ、誰が見てもアウトであり明らかな誤審。物議を醸し出した。試合後、判定を下した審判はビデオ映像で確認し過ちを認め謝罪し「若い選手の完全試合を台無しにしてしまった」と悔いた。一方の投手は、「パーフェクトな人はいない」と審判をかばい、スポーツマンらしい振る舞いに称賛の声が上がった。当の2人は翌日の試合前に握手を交わしたが、見ていて残念に思った。
 今回の審判も認めているように、多くのスポーツで起こる誤審。審判は即座の判定を求められ、動きの速いスポーツでは正確に下すのは容易なことではない。誤審は、同投手が言うように人間である限り仕方がない。問題は、判定が1人の審判に委ねられ1度決まったものはほとんど覆すことはできない点にある。
 300年以上の伝統をかたくなに守り続ける大相撲だが、物言いでビデオ判定を導入したことは画期的なことだった。採点競技ではなく、勝負の白黒が分かりやすい相撲で、行司は、たとえ同体にせよ軍配をすぐさま上げなければならない。しかし、ビデオを見て確認し、差し違えと正されたり、取り直しもある。力士、ファンすべてが納得がいき、他の世界のスポーツも相撲の成功例を見習ってもらいたい。
 昨日開幕したサッカーW杯南アフリカ大会。世界で最も人気があるスポーツだけに、競技人口も最大。試合数も多い分、審判の誤りは多々あるようだ。国の威信を掛けて戦うサッカーの誤審は、サポーターの暴動に起因する恐れがある。選手のフェアプレー、審判のすばらしい判定で成功の大会に終わってもらいたい。【永田 潤】

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