老いの自覚と加齢の準備

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 引退生活を謳歌(?)している二世たちがウォーキンググループを結成して、早朝ショッピングモールや公園を歩きストレッチ運動をし、老いを健やかにと頑張っている。
 そして歩きながらの話題は共通の知人のゴシップ、でなければ脚が痛い、腰が痛い、血圧やコレステロール値が高い、白内障の手術はまだかと高齢化に伴い劣化する健康の話題が中心だそうだ。
 グループで遠出をしたり、ポーカーやビンゴゲームを楽しんだりと、余暇を持て余しているようにも見えないが、頼みさえすれば気軽にボランティアもしてくれる。
 彼らを見る限りしっかり老後の準備をしてきたのだろうか、贅沢ではないがゆったり過ごしているという印象をうけるが中には例外もあるらしい。先日、知人が困ったように一人のウォーキング仲間のことを話してくれた。
 「人のことは言えないけれど彼はこのごろ物忘れが多くて、昨日した約束を忘れてしまうし、ミーティングの日時を間違えてやって来ては誰かが違う日にちを教えたと怒り出す。被害妄想が激しくて、○○は自分の悪口を言いふらしていると関係のない人を恨んだりするので心配なんですよ。ワイフに先立たれてから急に重症になったような気がします。食事や服薬も不規則だし、もう一人でいるのは危ないからアダルト・デイサービスやアシステッド・リビング施設の利用を勧めたら、自分はまだそんなに呆けてないと怒り出して、いや、87歳ですがね。今度は私が恨まれてしまって…」
 もともと頑固らしくて、子供たちも嫌がることは言いたくないと距離を置いているらしい。もちろん性格の個人差はあるが日系人にありがちな「他人に迷惑をかけない、子供の世話にならない」と自分を叱咤する気持ちが歪んだプライドにと育っていくらしい。
 老いを自覚して、自分を苛めないで暮らすのは案外難しいことなのかも知れない。私など、もういつリタイアしてもおかしくない歳なのに、老いの自覚も加齢の準備もしていない。
 今朝、総務部からEメールが届いた。
 「あなたのバケーションがたまり過ぎています。早く休暇をとってください」【川口加代子】

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