メトロ委員:「完全地下案」を推奨、28日に理事会が最終接続案を決定

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20日、メトロ本社で開かれたミーティングで意見を述べる、元ダウンタウン再開発プランナーの瓦谷幸雄さん(手前)


意見を述べる日米文化会館のクリス・アイハラ理事


 「ゴールドライン」の小東京駅付近と、「ブルーライン」「エキスポライン」の7街/メトロセンター駅を約2マイルにわたって結ぶメトロの「リージョナル・コネクター事業」で、公示期間中に集められたコミュニティーの意見や環境アセスメントの草案をもとに、同事業の設計製作委員(Planning and Programming Committee)は20日、メトロ理事会メンバーに「完全地下案」を推奨した。同理事会は28日、提案されている5つの案の中から1つを決定する。
 ユニオン駅横にあるメトロ本社で20日に開かれた理事会ミーティングには、設計制作委員からマーサ・ウェルボーン、ディエゴ・カルドソ、ギリッシュ・ロイの3氏が出席し、同事業の内容を説明。9月28日と10月4日に開催された公聴会、および公示期間が締め切られる18日までに集められた市民の意見や懸念、また環境アセスメントの草案内容を考慮した上で、委員として「完全地下案」を推奨した。
 ウェルボーン氏は、リージョナル・コネクター建設によりもたらされる利益として、①1日に9万人の利用客を見込む②2万人がバス利用から同路線利用へ変更③1万7000人の新規利用者を見込む④利用客の移動時間を30%削減⑤乗り換えがなくなることで乗車賃削減⑥全体的な電車利用客の増加⑦4駅設置の場合と3駅設置の場合の費用対効果などを上げた。
 また、約2マイルの路線に4駅を設置する完全地下案の事業費は、2009年のドル評価で12億4500万ドル、工事が終了し、開通される年度(2019年)のドル評価では14億4200万ドルを見込んでいる。また、フラワー通り/5街駅を取り除き3駅の設置とした場合、事業費は開通される年度のドル評価で13億6600万ドルになる。
 18日午後4時までの時点で集まった計180件の意見をもとに、委員は「完全地下案」への支持が強かったとまとめた。その上で、地元事業主から工事により及ぼされる影響を懸念する声や、工事により影響を受けるビジネスに対する補償の声が上がっていることにも触れた。
 その他、設置する駅名は通りの名前ではなく、ディストリクトの名前にすべきとの要望や、フラワー通り/5街駅撤去に反対する声も上がっていると述べた。

小東京タワーズの住民の意見を代弁するサービスコーディネーターのキョン・ジュン・ソーさん(左)


 同ミーティングには、小東京協議会や小東京ビジネス・アソシエーション/小東京BID、また周辺の住民をはじめ、ファイナンシャル・ディストリクトやアート・ディストリクト、ダウンタウン住民会のメンバー、また地主ら多くが集まった。そのうち18人が意見を述べ、理事会メンバーに各自の見解を再度訴えた。
 LTBIDの会員で、2街にレストランを経営する山内宏さんは、工事の影響は地元ビジネスにとって死活問題であると述べ、「事業に反対しているのではなく、2街下に地下鉄を掘るのに反対です」と訴え、全米に3カ所となった日本人町保存を訴えた。
 また、日米文化会館のクリス・アイハラ理事は、条件付きで完全地下案に支持をあらためて表明。工事の影響を受ける小東京のビジネスへの補償などを確実なものにするよう強く訴えた。
 翌21日には、2008年に住民投票で可決された「提案R」(渋滞緩和と交通機関改善を目的とした事業に向こう30年間計400億ドルを充当)を扱う「提案R事業運営委員」が、メトロ理事を前に同様なミーティングを開催。リージョナル・コネクター事業も提案Rから一部予算が振り分けられるため、この日も各コミュニティーから約20人が意見を述べた。
 同事業を支持するジャン・ペリー市議のオフィスからはグレッグ・フィッシャー氏が代理で出席し、地下に駅が建設されるセントラル通りとアラメダ通り周辺の2街の周辺の掘り起こし工事(カット・アンド・カバー)への懸念を表明。周辺ビジネスへの影響を最小限に食い止めるよう再度要請した。
 両委員と市民からの意見を聞いた理事からは、「政府が所有する土地や空き地を利用するなどして、地元ビジネスの立ち退きなどを避けることはできないのか」「工事の影響を受ける事業主にとっては死活問題だ」などといったの質問や意見も上がった。
 メトロ理事会は、提出された環境アセスメントの草案、市民から集まった計180件に及ぶ意見、また同事業設計制作委員の推奨などをもとに、28日、提案されている5つの案(建設しない案、地上案、一部地下案、完全地下案、バス路線利用案)から、1つの案を正式決定する。
 決定後、同事業設計制作委員はさらに詳細な調査を進め、来年夏ごろまでに環境アセスメントの最終版を発表、公聴会を経て再びコミュニティーの意見を集める。
 28日午前9時にメトロ本社(One Gateway Plaza 3Fl)で行われるメトロ理事会ミーティングは市民も参加できる。ミーティングの模様は電話でも視聴可能。番号は、213・922・6045。その他詳細は、ホームページで—
 www.metro.net/projects/connector/
【中村良子、写真も】

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