LAX:全身透視検査の利用促す

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 電磁波で飛行機の搭乗客の衣類を透視し、武器や爆破装置などを検知できる全身透視検査装置をめぐり、反対派がプライバシーの侵害を訴えるなか、ロサンゼルス市のアントニオ・ビヤライゴーサ市長は、安全面を重視する観点からこの検査装置の積極的な利用を訴えた。
 昨年12月の米機爆破テロ未遂事件を受け、全米各地では透視検査を実施する空港が増えている。最新のスキャナー画像技術を駆使した検査装置は、搭乗客に触れることなく金属製凶器だけでなく、非金属性の爆破物質なども映し出すことが可能。一方で、全身が画像として映し出されることから、一般搭乗客、パイロット、航空関係者からプライバシー侵害を訴える声が高く、物議を醸していた。
 検査は任意で実施されており、透視検査を拒否した場合は、係官が乗客の衣服の上から直接身体に触れる身体検査が行われる。
 先週、加州サンディエゴの空港で両方の検査を拒否した男性が保安官と言い争いになり、その模様を収めたビデオが動画サイト「ユーチューブ」に投稿され、注目を集めたばかり。
 一方で、1年のなかで最も空港利用者が多い感謝祭を25日(木)に控え、わずか10秒で済む透視検査を拒否し、より長い時間を要する身体検査を搭乗客が選択すれば、ロサンゼルスやニューヨーク、シカゴなどの主要空港では大規模な混雑や乗り遅れを引き起こす可能性が高いとの懸念もある。
 連邦運輸安全局(TSA)は、「爆発物を体につけたテロリストを発見し、搭乗客の安全を守るためにも透視検査は必要である」として、理解を求めている。同局のジョン・ピストール局長は先週、上院商業委員会の公聴会で「新しい機器による透視検査にしろ、係官が乗客の体に直接接触して行う検査にしろ、身体検査は空港で爆破装置などを発見する最後の防御ラインであり、テロ事件を未然に防ぐためには必要不可欠な手段である」と強調した。
 またオバマ政権も安全面と混雑回避の見地から搭乗者に透視検査の利用を訴えている。ギブス大統領報道官は22日、「プライバシーが侵されるとの乗客の不満を最小限に抑え、なおかつ最大の安全を確保するための方策を今後とも模索していく」としつつ、「安全で快適な旅行をするために、空港での厳格な身体検査は、現状では避けられない」との認識を示した。
 ロサンゼルス国際空港(LAX)は、西海岸の都市のなかでは最もテロリストの標的になる可能性が高い空港とされており、透視検査装置は国際線だけでなく全てのターミナルに設置されている。

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