ウサギを弁護する

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 卯年、ウサギの年がスタートした。最悪期は脱したとはいわれる景気だが、まだまだ厳しい。そんな新年だからこそ、われわれ一人ひとりが意識して明るい気持ちを忘れないようにしたいものだ。
 インターネットの情報によると、卯年生まれの人は、明るくおおらか。人情深くまめな性格で、人から好かれる福運があるのだそうだ。ただ、温厚な性格のため争いごとを嫌い、決断力に欠ける一面もあるとのこと。
 現下の日本とそれを取り巻く情勢を考えたとき、政治家の皆さんにはぜひ日本の行くべき方向を決断力をもって明確に示していただきたく願う次第だ。
 「♪ もしもし亀よカメさんよ・・」で始まる童謡『ウサギとカメ』(石原和三郎作詞・納所弁次郎作曲)は俊足のウサギが油断して遅速のカメに負けてしまったという話だ。その原典はイソップ寓話にあるという。相手より優れているからと安心し、怠けて全力を尽くさないと自分より劣っている者にも負けてしまう、油断は大敵というウサギへの厳しい教訓だ。でも、今年の干支はウサギだから、今年くらいはウサギ君のために勝手に弁護をしてあげようと思う。
 ウサギは非常におとなしい動物だ。インドの神話にも帝釈天のために自らを犠牲にした「月のウサギ」の話があるくらいで、心根の優しい動物だ。なんでそんなウサギ君がカメ君を小馬鹿にしたり、からかったりするだろうか。
 またウサギとは非常にか弱い動物で、野原の真ん中でゆっくりと昼寝するほどの余裕などあるはずがない。わざとカメに負けてあげたのだ。ではなぜウサギはカメを挑発してわざと負けてあげたのだろう。
 それは遅速のカメでも不断の努力を重ねればいつかは報われる時があることを教え、励まそうとする善意の行動だったのにちがいない。本当はカメこそ「さっきの自慢はどうしたの」などと得意になった非を恥ずべきではないだろうか。
 今回は卯年にちなんでウサギ君の弁護をしたので、カメ年になったらカメ君のため、書くことにしよう。えっ、カメ年なんて無い? あっ、そうだっけ!【河合将介】

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