メトロ接続:事業側がルート変更提案、「小東京の声」配慮

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13日に都ホテルで行われたLTBAのミーティングで新ルートを発表するメトロのコルネーホ・交通企画マネジャー(前方席中央)


メトロが発表した地下鉄の新ルートと旧ルート。長方形のボックスは駅の設置予定位置。赤い部分(A)は「カット&カバー」の予定地。青い部分(B)は掘削作業に必要な重機の駐車場などとして利用されるエリア(メトロ提供)


 メトロが2019年までに開通を目指し計画を進めている「地下鉄リージョナル・コネクター事業」(メトロレール接続)で、同事業設計制作委員は13日、小東京協議会(LTCC)交通委員会の月例ミーティングに参加し、小東京への工事の影響を最小限に抑えるべく、ルートの微変更を提案した。同委員は14日にも、小東京ビジネス・アソシエーション(LTBA)のメンバーを前に同様のプレゼンテーションを行い、今後新ルートについてさらにコミュニティーとの話し合いを続けていきたいと話した。
 メトロのローラ・コルネーホ・交通企画マネジャーから発表された新ルートによると、2街の北側からジャパニーズ・ビレッジ・プラザ(JVP)を横切る形で左に曲がり、1街とセントラル通り北側の角にあるJVP駐車場、1街とアラメダ通り角にあるセニョールフィッシュ地下を通り、既存する「ゴールドライン」に接続される。
 地下で同ラインと接続後、ユニオン駅方向はアラメダとテンプル通り付近で、またイースト・ロサンゼルス方向は1街とローズ通りにあるコンドミニアム「サボイ」前でそれぞれ地下から地上へ出る。既存の小東京駅は不要になり、新小東京駅は1街に沿ったセントラル通りとアラメダ通り東側一角の地下に建設される予定。
 新ルートの工事に伴い、セントラル通りの東側一部と、1街とアラメダ通りの交差点周辺に地下駅設置工事のアクセスとして穴を掘り、その上をコンクリートで一時的に埋める「カット&カバー」と呼ばれる作業が行われる。また、セニョールフィッシュやスパイステーブルなどがある1街に沿ったセントラル通りとアラメダ通り東側一角が掘削作業に必要な重機の駐車場などとして利用されるため、店舗の一時移転が必要となる。
 旧案のルートは、2街とセントラル通り角のオフィスデポの下で左に曲がり「ゴールドライン」に接続、新駅を同一角の中央付近地下に建設するというもので、オフィスデポと駐車場の買収、同一角に入るほぼすべてのテナントの一時転居が必要であった上、小東京の中心部である2街の大部分で「カット&カバー」作業が行われる予定だったため、小東京の事業主や周辺住民らからは工事の影響に強い懸念の声が上がっていた。
 メトロ側は、「新ルートにより、交通の影響のみならず、一時転居しなければならない店舗数の大幅な削減と駐車場の確保、カット&カバーの大幅削減など、地域への影響を最小限に抑えられる」として、その利点を強調した。
 地下鉄工事を掘り始める側が小東京側になるのか、またはダウンタウン側(2街とホープ)になるのかはまだ調査中で、来月に決定する予定という。掘り始める側には、地下から掘り起こした大量の土砂を運ぶ大型トラックが1日に30台ほど行き来するため、小東京コミュニティーはダウンタウン側からの掘削を要望している。
 しかし新ルートの提案により、オフィスデポ前の駐車場だった掘削場所を、「マングローブ」へ移動できるようメトロ側が現在地主と交渉しており、同地が利用可能になれば、掘り起こした土砂はテンプル通り側からハイウエーで運ばれるため、大型トラックが小東京内を通ることはないとしている。
 新ルートの発表を受けLTBAのウィルソン・リュー会長は、「われわれの懸念を取り入れ、大きく改善されている」と称賛。しかし、地元ビジネスへの影響が消えたわけではない点を強調し、引き続きビジネスへの補償など、メトロ側とさらに話し合いを蜜にしていきたいと述べた。
 JVP内にしゃぶしゃぶ店を経営する丸山さんは、「技術も発達しているだろうから、地下鉄がビレッジの下を走ることへの不安はない」としながらも、「ルートがどう変更になろうとビジネスへの影響は必ずある」と述べ、「中小企業であるわれわれの苦しみをどれだけ理解してもらえるか」と、今後もメトロとの話し合いを続けていくと話した。
 1街にある日本食レストラン「スエヒロ」のオーナー鈴木さんは、新ルートの発表に驚きを隠せない様子で、「地元の懸念を考慮してくれたメトロ側の努力が伺える」と新ルートに賛成。1972年に母順子さんがオープンした同店を7年前に引き継いだ。「7歳から小東京で育ち、小東京は自分の庭のようなもの」といい、「2019年の同ライン開通時、今あるお店が皆生き残り、一緒にお祝いすることが目標」と述べた。
 メトロの同事業は、パサデナからイーストロサンゼルスを結ぶ「ゴールドライン」の小東京駅付近と、ロングビーチとロサンゼルス・ダウンタウンを結ぶ「ブルーライン」、また現在建設中の「エキスポライン」(ロサンゼルス・ダウンタウンからカルバーシティー間)が通過するメトロセンター駅を約2マイルにわたって結ぶ事業。メトロは今後さらに調査を進め、2月から3月にかけ公聴会を予定、コミュニティーの意見を集め、夏に環境アセスメントの最終版を発表、早ければ2014年に着工、2019年の開通を目指している。
 同事業に関する詳細は、メトロのホームページで―
 www.metro.net/projects/connector
【中村良子、写真も】

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