日米親善高校野球:茨城代表が米国遠征―県全体のレベルアップ目指す

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健闘を称え合う日米両チームの選手ら

 茨城県高校野球連盟は県内から優れた18選手を選び構成した茨城県高校野球代表チーム(茨城県高野連会長・岡野満団長、霞ヶ浦・高橋祐二監督)を「日米親善高校野球」のために昨年末(12月27、28日)、米国に派遣しコンプトンのアーバンユース・ベースボールアカデミー(UYBA)で、UYBAチーム(ジェームズ・ビショップ監督)と3試合を戦った。同チームとは1勝2敗で終え、ほか地元日系人の高校生チーム「IBEC」とも1試合を行い勝利し、通算2勝2敗で1週間の米遠征を終えた。

ダブルプレーを狙う和田丈遊撃手(常総学院)

 茨城代表は、県の秋季大会で活躍した甲子園大会出場経験者を含む選手を選抜し、関東大会後にチームを結成。全体練習を計6回行い、大学チームと練習試合を4戦こなすなどしたが、急造チームである上、慣れない海外遠征のためミスもあり本来の実力を発揮しきれない選手もいた。UYBAは、シーズンオフにもかかわらず各自、短期間で調整し親善試合に備えてきた。両チーム、ハンディを抱えながらも高校生らしい全力プレーを見せ、互角の戦いの熱戦を繰り広げた。
 茨城代表は、米選手の大柄な体格や投打のパワーに圧倒されながらも、日本らしいスモールベースボールで対抗。安定した投手陣を軸に堅守を披露し、打っては送りバントなど着実に走者を進め得点した。
 笹島啓嗣(霞ケ浦)主将は「アメリカの選手の思い切りのよさが勉強になった」と話した。捕手の主将は、初球を積極的に打つ打者に気を配ったという。「日本人にはないパワーを感じた」と長打を警戒し、

 笹島啓嗣(霞ケ浦)の打撃

低めに球を集める配球を心掛けた。選手全員が国際試合初体験ということで「みんないい経験になり、アメリカの野球を学び、アメリカも日本から学ぶことができたと思うので、お互いにとっていい親善になったと思う」と述べた。
 昨夏の甲子園のマウンドで投げた佐藤賢太投手(水城)。遠征では2試合に登板し「日本と違って初球からどんどん振ってくるので緩急をつけた」と話した。「低めの球をライナーで外野に打たれた」といい、これまで経験したことのなかった「パワー」に驚いたという。「スピードのあるボールをコースよく投げないと打たれることを学んだ」と収穫を強調。水城高は今春のセンバツの甲子園出場が有力視されており「もし甲子園に出れたら、遠征で学んだことを生かして上位を目指したい」と抱負を述べた。
 投手力がウリの茨城だったが、高橋監督は全6投手に満遍なく投げさせる機会を与えることに「起用法が難しかった」と苦慮したようだった。米選手については「身体能力に優れ、パワーがある。勝ちに行く姿勢や、チャンスで集中力を高め畳み掛けるなど、日本が見習うところが多い」と称賛。米遠征を総括し「日本の野球のよさを見てもらい、われわれはアメリカのスケールの大きい野球を多く吸収できてよかった」と述べた。

握手を交わす茨城の高橋(左)、米のビショプ両監督

 茨城代表の海外遠征は、12年前の台湾に次ぎ米が2度目。茨城県高野連は10年に1度、海外に代表チームを派遣し国際経験を積むことで、県全体のレベルアップを図っている。
 岡野団長によると、茨城の代表校は近年、甲子園で勝ち上がれない状況が続いているという。団長は「代表18選手が米国遠征で挙げた成果を日本に戻って伝えリーダーとなって引っ張り、茨城の野球のレベルを押し上げてほしい」と願った。
 UYBAのビショップ監督は、全日本高校選抜との試合で幾度も指揮しただけに日本の野球とレベルの高さを知る。今回は「イバラキは地方の代表とは思えないくらい鍛え抜かれていてすばらしかった」と評した。野球を通じた日米親善の意義を強調し「また日本人の野球仲間が増えた」と喜び、今年の日本遠征での茨城との再戦を心待ちとした。
 日米親善高校野球は米国では近年、2006年に設立されたUYBAと全日本または地方代表チームが試合を行っている。今年の暮れには東京代表が来米し、2014年に全日本選抜が遠征に訪れる予定を立てている。【永田 潤、写真も】

【写真左】二盗を決める水城高の萩谷直斗【同右】IBECの得点を阻止する笹島啓嗣捕手(霞ケ浦)


強打者を相手に力投する佐藤賢太投手


野球を通して親善した日米両国の選手ら


集合写真に納まる茨城代表とIBECの選手たち

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