続・母親名語録

0

 母の大腸ガン摘出手術はもう6年前。今でも病院通いは続けており、今年で78歳。さすが体の動きは鈍くなっているが、しゃべりは相変わらず大丈夫そうだ。名語録がその証拠である。数年前に一度このコラムに書いたので、これは続編としよう。

▽居間で鑑賞中のテレビ番組がつまらないらしく、「ちょっと『マイコン』を取って」と。何だろう? 『リモコン』のことだと判明。
▽「うちは衛星チャンネルも映るはずよ。ほら、ウオウオとかね」。魚魚? 釣り番組? 料理番組? その後、WOWOW(ワウワウ)のことと判明。
▽「お笑い番組多いわね。デラックス・マツコもよく出てるし、一人芝居も」と。「マツコ・デラックス」と「劇団ひとり」のことだった。
▽「日系人ドラマの主役だったスモップの草なだ君良かったわ」と。SMAP(スマップ)の草彅君のことだった。
▽コーヒーが好きな母は、「アメリカにもスターバックはあるのかい?」と聞く。いやいやアメリカが本場で、細かいが『スターバックス』と教えてあげると、なんで『ス』があるの? 必要ないわね、とのコメント。
▽そして「エクスプレッソ」が好みだと。正確には「エスプレッソ」と教えたら、「そこには『ス』が入るのかい? 早く出来るから『エクスプレス』の『エクス』でないのかい?」と。なるほど、シャープな突きどころだ。
▽「夏に訪れたオハフ島は良かったね」と。「オアフ島」のこと。
▽プリンターのカートリッジのインクが無くなったので買いに行くと、「エスポンかい?」と。「エプソン」のこと。
▽「キューバには有名な作家ハミングウェイが住んでたんでしょ?」と。「ヘミングウェイ」のこと。彼が南の島でハミングバード(ハチドリ)に囲まれてハミング(鼻歌)を歌うシーンが浮かぶ。
▽「スイスとオーストリアに囲まれている小さな国は『リクヒンシュタイン』だったかい?」と。「リヒテンシュタイン」のことかと思ったが、よくよく聞いてみると「ルクセンブルク」のことを言いたかったらしい。

 1年に1度ほど、お茶を飲みながら母親との楽しい会話は、あとどれだけ出来るのだろうか? いつまでも一緒に笑いたい。【長土居政史】

Share.

Leave A Reply