難病ALS、宮坂一さんの夢実現へ:ミルヘイザーさんが日本行きを贈呈

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宮坂さん一家に日本旅行をプレゼントしたミルヘイザーさん(右)と、宮坂さん一家。(前列左から)良くん、一さん、(後列左から)幸ちゃん、浩正さん、秀枝さん


 体を動かすための神経系(運動ニューロン)が変性し、全身の筋肉が動かなくなる進行性の難病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と闘っているサウスパサデナ在住の宮坂一(はじめ)さん(18)の夢が、ついに実現する。宮坂さん一家は14日、夢を叶えてくれる「ガーディアン・エンジェル」と初対面した。
 「体が完全に動かなくなる前に、もう一度家族全員で日本へ」という一さんの夢を叶えるため、宮坂さん一家に日本行きをプレゼントしたのは、オレンジ郡在住のステュワート・ミルヘイザーさん。小さなALS支援団体、「ALS Guardian Angels」を個人運営しており、創設以来、数多くのALS患者とその家族の夢を実現してきた「救世主」だ。
 ミルヘイザーさんは約5年前、娘さんからALSと診断された父親を看病する14歳の少女の話を聞き、その過酷な闘病生活と日々の介護や膨大な医療費など、次から次へと家族に襲いかかる負担に胸を痛めた。
 「ALS関連団体は数多くあるが、ほとんどは治療薬の研究に寄付金や予算の多くを費やしてしまい、日々苦しむ患者や家族のケアに充てられていない」と気付き、その家族に財政支援を提供。その後、「同じような状況で苦しむ人は他にもたくさんいるに違いない」と、07年に支援団体を設立。患者とその家族の負担を少しでも軽減し、最善の生活の質を保てるよう、ボランティアと2人で支援を続けている。

アイパッドを使い、ミルヘイザーさんと会話を楽しむ一さん(左)


 羅府新報のオンラインで4日付の一さんの記事を読んだミルヘイザーさんは、すぐに同社へ連絡。話はトントン拍子に進み、14日に宮坂さん一家との対面が実現した。「一君、やっと会えたね」。そう声を掛けたミルヘイザーさんに一さんは、満面の笑みでこたえた。
 医療費や介護費など、ALSは高くつく病気であることを理解しているミルヘイザーさんは、「皆さんのお手伝いができてとっても嬉しい」と述べ、一さんに「僕に援助をさせてくれてありがとう」と伝えると、一さんは持参したスピーカー機能付きのアイパッドで、「Thank you」とタイプ、感謝した。
 長いことビジネスマンとして働いてきたミルヘイザーさんは、人の役に立つことに携わるまで、完全に心が満たされることはなかったといい、「過酷な病気と闘う患者さんの持つ勇気と、介護に携わる家族の献身に日々、心を打たれている」という。
 「将来の夢は」との質問に、一さんがアイパッドを使い「エンジニアの世界を勉強したい」と答えると、ミルヘイザーさんは同じようにALSと闘いながら夢を実現した人たちがたくさんいることを伝え、「紹介するから、彼らとメールなどで話したらいい。明るい未来に目を向けて」と励ました。
 
日系社会からも支援
 
 5月4日の記事掲載以来、宮坂さんの元には日系社会からも多くの支援が届いている。中には、「今月の給料です」と庭園業を営む男性からの寄付や、「一君、あなたの魂が光り輝いているのに感動しました。ご両親の光になっているあなたの希望が叶いますように」「楽しい日本旅行ができますようお祈りしています」「ご家族の心情を考えると胸が張り裂けそうです。わずかですが、日本行きの夢の協力をさせてください」「一くんの寛大な心は多くの人の励みです」など、励ましのメッセージがたくさん詰まっていた。
 宮坂さんは、「こんなにたくさんの方が応援してくださると思っていなかった」と驚き、「皆さんからの言葉がとても嬉しく、涙が溢れてなかなか手紙を読むことができなかった。一人ひとりにお会いして、きちんとお礼を述べたい気持ち」と感謝した。
 宮坂さん一家の闘いは、今後長期にわたる。一さんが車いす生活になった時を考え、近日中に一階の部屋に引っ越しを計画するとともに、車いすの乗り降りが可能なミニバンへの買い替えも必要だ。
 しかし、一家5人が生活するアパートには今、家族全員の大きな笑い声が響いている。父浩正さんは、「ミルヘイザーさんをはじめ、日系社会の皆さんの温かい支援のお陰で、一の夢を叶えてやることができます。皆さんにはお礼を言っても言い尽くせない気持ちです」と感謝した。
 一さんは最後に、持参したアイパッドにこうタイプした。「皆さんからいただいた心優しいすべてのお手紙、とても嬉しかったです」
 宮坂さん一家は、7年ぶりに家族5人全員で日本へ行く。
【中村良子、写真も】

 
宮坂一さん:大好きな祖母と再会、症状進行し、日本行き叶わず(9月24日)

  
募金の呼びかけ

 一さんの医療費や介護費支援のための募金は、チェックの宛先を「Hiromasa Miyasaka」とし、宮坂浩正さんまで郵送。
 Hiromasa Miyasaka
 1107 Fair Oaks Ave. #160
 South Pasadena, CA
 91030-3311
 一さんの様子はブログで—
 http://ameblo.jp/zap788
 

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