ドジャース:黒田投手が5万ドル寄付―がん撲滅キャンペーンに協力

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フォックス・スポーツの生中継で寄付について語る黒田投手(中央)。右は専属通訳の二村健司さん

ドジャースの黒田博樹投手は球団が進める、がん撲滅キャンペーン週末の26日、ドジャー球場で「ThinkCure!」基金に5万ドルを寄付した。黒田投手は、入団した2008年から毎年寄付を続けており、今回で総額は30万ドルに達した。
 同基金は「ロサンゼルス子ども病院」と、がん専門病院「シティ・オブ・ホープ」への寄付を目的に募金活動を行う地元の非営利組織。贈られた寄付金は、がん治療の研究資金や患者の治療費に役立てられる。

5万ドルを寄付した黒田投手(左)とがんと闘っているハンナ・コマイさん

 
 ドジャースは、球団を挙げて同基金を支援している。毎年、観客動員数が他の試合より増えるエンゼルスとの交流戦で同キャンペーンを展開。選手のサイン入りジャージーやボールをオークションに掛けて売り上げを寄付している。また、がんを克服した子どもたちや医師、研究者、看護師などをフィールドに招待し、試合前のセレモニーで紹介し、がん撲滅の啓蒙に努めた。
 黒田投手は、寄付を継続する理由を「両親をがんで亡くしているので、両親への恩返しでもある。少しでもがん患者の手助けがしたいから毎年やらせてもらっている」と説明。「がんが治ることは、すばらしいこと。研究や治療の進歩に協力できればいい」と力を込めた。日本時代にはプレーを続けながら看病を続け、患者の家族として苦しみを味わった立場から、遺族や支援者へ向けて「僕も同じ経験をしたことを分かってもらい、励みになればいい」とエールを送った。
 シティ・オブ・ホープ病院のがん研究所所長のスティーブン・フォアマン医師は、黒田の寄付について「とてもありがたい。クロダは両親をがんで亡くしているので、遺族として辛さが分かっている」と述べた。「クロダは、がん患者の一番の理解者であり、野球選手として初めて先頭に立ってわれわれの活動を支援してくれている。がん患者と医師、研究者、看護師のみんなにとってヒーローである」と称賛した。
 
がん患者が始球式
日系女子大生コマイさん

 大腿部にできた骨肉腫でシティ・オブ・ホープ病院で手術を受け、がんと闘っているテンプルシティ在住の日系人女学生ハンナ・コマイさん(21、ワシントン州の私立パシフィック・ルーサン大学)が同日、試合前に始球式を務めた。ハンナさんは投球後、黒田投手から直々に激励を受け、寄付に対して感謝の言葉を述べた。

始球式を終え、両手を挙げて大きな声援に応えるハンナ・コマイさん

 昨年7月、手術を受けたハンナさん。命をも奪う悪性腫瘍と診断され「がんと分かった時は、どう反応していいか分からず、恐怖と悲しみで泣いた。でも、気持ちを切り替えて、がんを克服するために治療に向かった」「落ち込むことも多かったけれど、何事もポジティブに考えて『明日はいい日が来る』と信じて、何か自分のためにいいことを見つけた」
 この1年間は、激痛を伴う治療に耐え病気と向き合った。治療の甲斐あって腫瘍は消えたが、再発の危険性が高いため今後3年間は定期検診を受け、注意が必要だという。右足内側には、40センチほどの痛々しい傷跡が残る。手術前と術後の計約11カ月のキモセラピーで、頭髪は抜け落ちた。
 フィジカルセラピストになるために運動学を専攻していたが、病気を機に道を変え看護師になることを決意。「病院では、気分がいい日も悪い日も、昼も夜も励ましてもらった。看護師には、自分の人生を変えるほど優しくしてもらった」と話し、将来接するがん患者には、自分の経験を伝えれればと希望する。
 トミー・ラソーダ元ドジャース監督は、ハンナさんに「(闘病生活では)友人との絆が時には、薬よりも助けになることがある。困った時には、いつでも私に電話しなさい」と励ました。
 ハンナさんはドジャースのがん撲滅キャンペーンについて「始球式をさせてもらいいい経験になった。集まったお金は研究に使われて、多くのがん患者の命をきっと救うことだろう。ドジャースに敬意を表したい」と語った。
 同基金では、寄付による協力を求めている。ウエブサイトは―
 www.thinkcure.org/
【永田潤、写真も】

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