糖尿病患者、30年間で2倍以上に:世界全体で3億4700万人30

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 世界中で成人の糖尿病患者数が1980年の1億5300万人から、過去30年間で倍以上のおよそ3億4700万人に達したことが、最新の調査で明らかになった。主な原因として、糖尿病の発症率が高い高齢者の増加と全体の人口の増加があげられるが、肥満の人が増えたことも一因とみられている。
 調査はビル&メリンダ・ゲーツ基金と世界保健機構(WHO)のバックアップのもと行なわれた。
 世界各地で糖尿病患者が増えたことを受け、今や豊かな国だけの問題ではなく地球規模の問題になっていると専門家は指摘している。
 糖尿病患者数の増加が最も著しかった国は、アフリカ大陸西北沖合の大西洋に浮かぶ小群島国家ケープベルデ共和国、南太平洋の島国サモア、サウジアラビア、パプアニューギニア、米国だった。
 英インペリアル・カレッジ・ロンドンのマジッド・エザッティ教授は、「糖尿病は今後、世界において深刻な健康問題になるだろう」と言及。統計で出た患者数には、肥満児などの糖尿病予備軍が反映されていないことから、「患者数の増加はまだ最高のレベルに達していない」とし、高血圧やコレステロールと違って糖尿病は最善の予防策と治療法が現時点で開発されていないことを問題視した。
 しかし、英国や欧州諸国では、肥満に悩む人が増えているにもかかわらず、糖尿病患者の増加がわずかだったことに関して専門家は「はっきりとした原因は分かっていない」としつつ、欧州での糖尿病検査の普及の遅れや遺伝子の違いが影響しているのではないかと指摘する。
 一方シンガポールやフランス、イタリア、スイスの女性は全体的にみてスレンダーな人が多く、糖尿病患者の数にも増加傾向は見られなかった。またサハラ以南のアフリカや中米、アジア諸国でも患者数は平行線をたどった。
 糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」がある。「1型糖尿病」はインスリンを分泌する膵臓のベータ細胞が破壊され、インスリン分泌量が不足することで起こる。体内でインスリンを作ることができないと、ブドウ糖を細胞に取り組むことができず、血管の壁に溜まり、合併症を引き起こす。10歳から18歳の若者の発症が多いことから「若年性糖尿病」と呼ばれることもある。 
 「2型糖尿病」は肥満が関連していると言われ、1型に比べ患者数が多い。体内でブドウ糖を分解するためのインスリンの分泌量が不足し、インスリンの働きが悪いために血糖値が高くなるのが特徴で、食事や運動などで治療することができる。しかし、慢性的な血糖値の上昇は、神経障害を引き起こし、腎臓病や失明、壊疽による外科的切断などにもつながる。
 研究者らは、糖尿病患者の増加傾向は今後、アジア系やアフリカ系アメリカン、中南米系の人々にも広がるのではないかと警告。糖尿病予防の最善策は、「健康な生活習慣を心掛けること。適度な運動と、食べ過ぎを避けることが大切だ」と訴えている。 

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