JRAセミナー:日本産食品の安全性確認―  従業員用食品取り扱い証明、施行へ

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食品衛生管理法の改正について話す田川顕子さん

 米国日系レストラン協会(JRA、波多野勲会長)は11日、トーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルで、日本産食品の米国での流通事情と、加州の食品法改正に関するセミナーを開いた。レストランのオーナーやシェフを中心とした参加者約60人が、日本から原発事故後に輸入された食品の安全性を再確認し、法令については施行間近の従業員用食品取り扱い証明を中心に知識を深めた。
 JRAは東日本大震災で被災した、日本救済のための募金活動を継続しながら、日本産の食材を積極的に使って経済を活性化させ復興を支援するキャンペーンを展開している。だが、福島第一原発の事故による放射能漏れで、日本から輸入された食品すべてが汚染され危険であると誤解されたことがあった。また、その風評被害が日本食普及の妨げになることを懸念した。顧客や消費者に安全性を説明するためには、正しい知識を身につける必要があるため、今回のセミナーで取り上げた。

安全な日本食の普及に協力を誓い合う松本修一領事(左)と波多野勲会長

 農水省出向の松本修一領事が、米国における日本産輸入食材について説明した。安全性の担保として3重の対応―①原発周辺地域の食品の生産・製造の停止②農林水産物のモニタリング強化と流通規制③日本からの輸入食品に対する検査の強化(米側)を示した。
 食品中の放射性物質は厳しい基準を設けてモニタリングされ、規制値を超えた場合は出荷制限、さらには摂取も規制される。原発周辺地域は立ち入り・作付け制限されているため、生産自体が行われておらず、海域についても半径30キロ以内は漁船が立ち入ることはできず操業されていない。
 米FDAの日本産食品の実地検査は1万9425件で実施したサンプルは833、そのうち放射性物質の検出はわずか1件で、同物質が規制値を超えたサンプルはゼロである。領事は「日本とアメリカ側がそれぞれで対策を講じているので、流通する日本食の安全性が確保されている」と力を込めた。
 LA郡で15年間、食品検査官を務めた経験を持つ田川顕子さんは、7月1日施行予定の従業員の食品取り扱い証と今年改正された衛生法、そして災害時のレストランの危機管理などについて解説した。田川さんは、連邦、州、郡、市、各政府によってルールが違う上に検査官の数が年々増え基準が強化されていると指摘し、知識をつけた上での対応をアドバイスした。
 食品取り扱い証の取得は、調理師のみならずウエイターに皿洗い、出前をする人など食品に触れるすべての従業員に適用され、証書は雇用者のものではなく個々の従業員の所有となる。なお、スーパーマーケット、コンビニ、学校のカフェテリア、認可された従業員トレーニングを行っている飲食店は新法の除外となる。
他州の証書は通用せず、加州であっても郡によって法律が異なるため注意が必要。新規採用された従業員は、雇用日から30日以内で取得すればいい。取得は、最も容易なインターネットクラス(英語とスペイン語、費用13〜15ドル)が利用できるほか、JRA(日本語)など各団体が開く講習に参加すれば即日発行される。当局から同証取得に関し正式な通達がなかったため、不確実な情報が錯綜したり、誤った内容を教えられていた参加者は正しい知識を身につけ早速、友人に教えると話した。
 食品のカロリー表示の義務は加州法で20以上を持つチェーン店に適用され、メニューに書き込む。LA市は店から外10フィート以内の喫煙を禁止しているが、LA周辺でも同様の条例を取り決めた市も多く、田川さんはこの傾向は広がって行くと予想。大腸菌の増殖と密接な関係がある食品の保存時間、温度管理(加熱、保冷)の重要性を説き、洗浄を徹底して、時間が経った食材の廃棄を勧めた。
 質疑応答が持たれた。あるすし店を経営する女性は、水槽を用いずに生きた甘エビの保存方法があるかとたずねるなど、参加者のさまざまな質問から、より新鮮で味のいいものを食べさせたいという、熱意が伝わってきた。
 JRAは、従業員用食品取り扱い証明書が取得できる講義を小東京の同事務所で開いている。費用は25ドル。
 JRAの詳細は杉本さんまで、電話213・687・4055。
 [email protected]
【永田潤、写真も】

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