メトロ・パープルライン延長の地質調査:BH高校の地下ルート「地下鉄工事は安全」

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メトロ「パープルライン」のコリアタウンのウィルシャー/ウエスタン駅から西に9マイル延長、ビバリーヒルズ、センチュリーシティを通りウエストウッド/退役軍人局病院までを結ぶ(メトロ提供)


 メトロ(MTA)が進める鉄道事業の一つ「パープルライン地下鉄延長事業」で、ルートオプションが2本あるビバリーヒルズ周辺の地質調査を行っていた地震学者、地質学者、エンジニアを含む調査団がこのほど、調査結果をメトロの設計制作委員(Planning and Programming Committee)に発表した。
 調査団は、「駅の設置位置が活断層の上に重なってしまうサンタモニカ通りルートより、ビバリーヒルズ高校の地下を走り、アベニュー・オブ・ザ・スターズ周辺に駅を設置するコンステレイション通りのルートの方が安全。校舎地下のトンネル工事は、学校区および周辺地域に影響はない」と報告した。
 同事業は、コリアタウンのウィルシャー/ウエスタン駅が終点となっている「パープルライン」を西に9マイル延長、ビバリーヒルズ、センチュリーシティを通りウエストウッド/退役軍人局病院までを結ぶ新路線。駅は7駅を新設予定で、メトロは現在、環境アセスメント(EIS/EIR)最終版のリリースに向けルート周辺の地質調査を行っている。
 同事業の予算は、2008年の住民投票で可決された消費税増案「提案 R」(渋滞緩和と交通機関改善を目的とした事業に向こう30年間計400億ドルを充当)により53億ドルを見込んでいる。
 活断層とトンネル工事の影響を懸念し、ビバリーヒルズ統一学校区(BHUSD)をはじめ周辺住民らは長年にわたり地下鉄工事に反対していた。今回の調査結果を受け、BHUSDのリサ・コルバトブトデイ会長は、「この地質データによって、ビバリーヒルズ高校をはじめ同事業の新駅設置位置、また地元の開発事業にさらに予想しえない問題が起こる可能性がある」と反対の声をあらためて高め、「メトロはこの重要な地質調査のデータを少なくとも1年前から入手しておきながら、今までBHUSDに提供しなかったのは信じがたい」と憤りをあらわにした。
 問題となっているビバリーヒルズ周辺のルートは、ウィルシャー/ロデオ駅から①サンタモニカ通りを通り、センチュリーパーク・イースト通り周辺に駅を設置するルート②南に位置するコンステレイション通りを通り、アベニュー・オブ・ザ・スターズ周辺に駅を設置するルート—の2本。
 コンステレイション通りルートは、多くのビジネスが集まるセンチュリーシティの中心に駅を設置することから強い支持の声がある反面、ビバリーヒルズ高校の真下を通るため、学校関係者や父兄らからは校舎や生徒への影響を懸念して反対の声が上がっている。反対者らはサンタモニカ通りルートを支持していたが、今回の調査結果により同ルートは「サンタモニカ活断層帯」と「ウエスト・ビバリーヒルズ・リニアメント/ニューポート・イングルウッド活断層帯」の上を走るうえ、駅の設置位置が活断層上にあたることが分かり、議論はさらに続きそうだ。
 メトロ側は、ルート周辺に2つの活断層があることは把握していたが、具体的な位置に関しては詳細な調査をしなければ分からなかったため、昨年同調査を指示していた。
 その他、詳細はホームページで—
 http://www.metro.net/projects/westside/
 一方、ロサンゼルス・ダウンタウンの7街/メトロセンターとカルバーシティのベニス/ロバートソン通り間を結ぶメトロ・エクスポライン大1期工事区間の試運転が22日から28日までの予定で行われている。また、サンタモニカまで延長する第2期工事の起工式は先月行われた。
 工事付近を通行する際は、交通信号や警告サインに従うよう要請されている。
【中村良子】

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