千葉真一:ハリウッドで日本映画を撮り続ける

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1939年、福岡生まれ。ハリウッドでは、サニー・チバとして活動する

 昨年、芸能生活の大きな節目を祝った。「もう50年たったのかという感じ。まだやることがいっぱいある。くたばってられない」と、役者魂は衰えを知らない。
 「深作欣二に抜擢され、育てられた」。台本の書き方から演じ方まで、すべての教えを請うた今は亡き巨匠を師と仰いで止まない。「深作を超える監督がいないから、日本ではやる気がしない」と、活動の場を新天地に求めた。単なる、アメリカ映画への出演を目指した渡米ではないことを強調し「アメリカという土俵で、日本映画を撮って日本の文化を世界に伝えたい」と使命感に燃える。
 ハリウッドで撮られた侍や芸者など日本文化を題材にした作品すべてを「日本文化がきちんと描かれていない」と一切認めようとしない。日本映画のすべてをありのままに描く願望を持ち続け「それが1本でもできたら引退してもいい」と覚悟を決め、作品作りに情熱を傾ける。
 肝に銘ずるのは、深作監督から叩き込まれた「リアリティーのない映画を作るな」。アクション俳優として名を馳せたが「リアリティーのない見せ物アクションは絶対にやらない」と断言。「アクションはドラマであり、一つのストーリーの中から自然に生まれてくるもの。人間愛が詰まっているのが本当のアクション」などと哲学を持ち、忌み嫌う「ドンパチ」に代表されるうわべだけのアメリカンアクションとは一線を画している。
 はるばる香港から1人の青年が訪ねてきた。「あなたの作品をすべて見ました」と憧れを抱く俳優。ジャッキー・チェンだった。吹き替えを一切認めない同じアクション俳優の両雄は、互いの信念を語り、意気投合。「全く同感です。僕はあなたと同じ生き方をします」と決心し、日本を後にした。千葉のアイデアの「チンギス・ハンの2人の父」は各人が演じ、「ジャッキーも楽しみにしている」とクランクインが待ち切れない。
 「日本人として誇りを持って生きているので、日本映画を作り続けて、日本の文化を伝えたい」。次の映画「武士道」では、侍魂を持って全力を注ぐ。【永田 潤】

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