南加栃木県人会栃木県人会創立20周年:福田知事迎え記念祝賀会―晴れて「成人」、気持ち新たに

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加藤譲孜顧問の音頭で乾杯する会員。左から薄井兼吉、佐藤了、横田正義、老沼道明の各氏

 南加栃木県人会(佐藤芳江会長、50家族)は10月30日、トーレンスのミヤコ・ハイブリッドホテルで創立20周年記念祝賀会を開催した。来賓に栃木から福田富一知事を団長とする神谷幸伸県議会議長ら訪米団一行9人、地元からは新美潤・在ロサンゼルス日本国総領事、比嘉朝儀・南加県人会協議会会長ら日系諸団体の代表などを迎え91人が参列し、二十歳の「成人」を晴れて祝った。

あいさつに立つ佐藤芳江会長

 佐藤会長があいさつに立ち「今日を機に新たな気持ちで、次の20年、100周年に向けて会員一同がんばりたい」と抱負を述べた。
 会長は、県人会の沿革を紹介。1世の移民により100年ほど前に結成されたとされるが、当時の正確な資料が見当たらなかったことから、100周年の祝賀とせず、新たに船出してからの20周年を祝うことに決め、3カ月ほど前から式典の準備を進めてきた。
 1992年に創立したきっかけは、初代会長の沼野武嗣さん(故人)が親交のあった同県大田原市出身で当時の渡辺美智雄副総理が将来、総理に就任し訪米する際に「何もなくては寂しいので、歓迎会を開く会を作ろう」と同郷人に呼び掛けた。佐藤了、薄井兼吉の両顧問が賛同し、3人が発起人となって発会。その後、渡辺氏は死去したため、迎え入れることはできなかったが、意義ある活動を継続し、日系社会、米国国家、日米親善に寄与している。
 活発な活動は、新年会をはじめ、月例会、ピクニック、忘年会などで親睦を深める他、所属する県人会協議会のさまざまな公式行事で奉仕し、日系社会の発展に尽力する。また、姉妹都市提携を結ぶウエストコビナ―大田原両市の日米交換学生を支援し、今年は東日本大震災救済の募金活動にも力を注いだ。
 席上、県から功労者と高齢者が表彰された。宇都宮名物のギョーザが振る舞われ、栃木の地酒で乾杯。

功労者と高齢者の表彰式。左から神谷幸伸県議会議長、佐藤芳江・了会長夫妻、加藤譲孜顧問(以上功労者)、二階堂静子さん(高齢者)、福田富一知事

余興では、栃木民謡「日光和楽踊り」などが披露され祝典に花を添えた。来賓が祝辞を述べ、県人会の活動を賛美し、ますますの発展を祈念した。
 祝辞の中で福田知事は、栃木の近況を紹介した。同県は、東日本大震災により6万6000世帯が被災。今もなお道路、河川、山崩れの復旧に取り組んでいるといい、知事は「1日も早い復興を目指し全力を尽くすので、継続した支援をお願いします」と呼び掛けた。さらに、原発事故による放射能汚染の風評被害に悩まされているという。全国的に有名な那須や世界遺産に指定されている奥日光など豊富な観光資源に恵まれているが、観光客は震災後、外国から9割減(震災前は13万人)、国内も2、3割減った。農産・畜産業も厳しい状況に変わりはない。知事は、観光地と農産物の安全性を強調、参加者に向け「安全であることを口伝てに伝えてほしい」と訴えた。
 知事はまた、県人会に対しては「たゆまない努力を積み重ね、南カリフォルニアの地において確固たる地位を築き、栃木県の誇りである」と最大級の賛辞を贈った。さらに、会員間の親睦に加え「栃木県との重要な役割を果たし、衷心より敬意と感謝の意を表したい。栃木との交流の懸け橋として、また日米両国の相互理解と友好親善のさらなる進展のためより一層の尽力を」と願った。

20周年の祝賀ケーキを切る(左から)新美総領事、佐藤会長、福田知事

 新美総領事は「献身的な努力を払い、活気あふれる活動をしている」と敬意を表した。交換学生の支援については、外交官としての経験から「2国間関係の礎は人と人とのふれ合いから」と説き、草の根レベルの交流を高く評価。総領事は当地赴任前の8月、当面、最後となる家族旅行に日光を選んだ。自身にとっては、小学校の修学旅行以来の思い出の地。東照宮をはじめとする国宝の寺社仏閣、中善寺湖、戦場ヶ原などを数十年ぶりに再訪し「あらためて観光資源の豊かなことを実感した」と語った。旅行した経験者として「みなさんのふるさと栃木がいかに安全ですばらしい所かをアピールしたい」と述べた。
 式典を終えた佐藤会長は「20年と若くて会員も少ないが、他に勝るとも劣らないと自負している」と少数精鋭を力説する。県からの運営補助金に謝意を表し「会員増強に努め、より一層充実した県人会となるように努力したい」と抱負を語った。 
 福田知事によると、栃木の県民性は「勤勉、実直で引っ込み思案。実力があっても人をかき分けて前に出ず、目立たないので評価されにくい」という。その半面、「まじめなので、人からの信頼は厚い」と強調する。県人会のメンバーにもその性質は当てはまる。人の気持ちを考え、我慢強いことから独立しても顧客に可愛がられ事業で成功を収めた会員が多く、その富を社会に還元したり労働奉仕に励んでいる。今回の式典は、南加の創立100年の長寿県人会に仲間入りするチャンスで、外からも反対はなかったというが、20周年に止めた。ここにも控えめな県民性を見ることができた。【永田潤、写真も】

創立20周年を祝った南加栃木県人会


地酒や干し椎茸、お面などが展示され会場を彩った栃木ミニ物産展

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