短歌愛好家の田中さん:小東京で作品24点展示―風景写真と短歌を組合わせ

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シエラネバダで撮影した風景写真                                   悠久の歳月(としつき)を経て在りとても 今が大事と古木は語る   田中公一

 アルハンブラ在住の短歌愛好家、田中公一(きんいち)さんが小東京一街にあるレストラン「ミツルすし&グリル」で作品24点を紹介する「くつろぎの世界」展を開いている。作品の特徴は、シエラネバダで撮った風景写真と短歌を組み合わせており、来店者に自然美を目と心で感じさせ、くつろぎの空間と心の安らぎを与えている。
 4年ほど前から短歌を始めた田中さん。きっかけは、千葉に住み短歌を趣味とする母ふみさん(87)と「共通の話題を持ちたかった」からで、親孝行の表れだった。母と、LAに住む友人から五・七・五・七・七の形式など基本を習った。その後は、独学ながらも作品は懸賞で受賞(第125回明治神宮献詠短歌大会で佳作など)したり、同人誌「潮音」には秀作として投稿の一番目に紹介されるなど実力を上げ、電話での週1度の親子の会話は弾む。
 詩を作る時は「いかに謙虚な気持ちで、目に浮かんだ情景を文章で表現できるか」を心掛け、31文字に思いを込める。鑑賞者には「いろんな思いを持って、情景を思い浮かべて夢を描いてもらいたい」
 小東京の和食店ですし職人を務める田中さんは休日を利用して月に1度、グランドサークルの国立・州立公園を旅する。ハイキング歴は40年を超え、約2時間の山登りで、鳥のさえずりや小川のせせらぎに耳をすませながら一歩一歩進むと、四季折々の花々、木々、緑、空、雪、岩などが姿を表す。作品になりそうな美景に出会うと立ち止まり、写真に残し「写真と短歌は連動している」(田中さん)というスタイルを続けて2年がたつ。
 大自然を前に詠むと「心が和やかになる」といい、時には絶句し「美し過ぎて表現できない」ことも。「自然に身を委ねると、地球上のすべてのものは互いに関係し合い、調和しながら生きているよう」に感じる。「人間は自然のルールを忘れて物質文明を作り続けている」と指摘し、二酸化炭素排出による地球温暖化など自然・環境破壊、人災に警鐘を鳴らす。
 同展については、「短歌のテクニックなどよりも写真を見て自然美を感じて、短歌にふれることで和やかな気持ちになって、自然に対する感謝の気持ちを持ってもらいたい」と希望する。
 同店の店主花牟礼(むれ)守さんによると、客からは「すばらしい写真と短歌に感謝したい」の言葉をもらったり、日本語の読めない米国人は美しい風景写真を絶賛するという。作品は、不定期に入れ替えられる。飲食しなくても作品鑑賞のみの来店も歓迎している。
 問い合わせは同店まで、電話213・626・4046。

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