1月1日に発行した新年号の特集記事で、「障害者の自立」をテーマに、UCLAエクステンションの「パスウェイ」で勉学に励み、自立へ向け大学生活を満喫する障害を持つ学生たちを取材した。
 パスウェイに通う学生たちは、学習障害や自閉症、アスペルガー症候群、ダウン症などといった知的障害や発育障害を持つ18歳から25歳の若者で、2011年秋学期の時点で43人の学生が在籍していた。
 障害者にかかわる特殊資格を持つ指導員(クリエイティブ・サポート)の支援はあるものの、掃除、炊事、ランドリー、宿題、ムービーデーなど、彼らの日々の生活は、一般の大学生となんら変わりない。
 しかし、一つ大きく異なるところがあった。それは、パスウェイに通う学生たちの目の輝きだ。彼らにインタビューする中で、その輝きはすべての学生に共通していた。みな、「今履修しているのはね…」「来学期はアートクラスを取りたい」「卒業後はフードビジネスで働きたい」などと、身を乗り出しながら熱く語ってくれた。
 決して、一般学生の目が輝いていないと言っているのではなく、パスウェイの学生の目がひときわ強く輝いているのだと思う。
 その理由は、学生たちをインタビューする中で明らかになった。
 「私が親元を離れて学校に行きたいって言った時、周りの人は皆『あなたには障害があるから無理』と言ってきたの」「社会性やコミュニケーション能力に特異性がある障害を持ってるから、『あなたに友達なんてできない』って言われたわ」
 彼らは、一人の若者として「自立したい」「夢を叶えたい」と強く願い、その実現に向け日々努力している。その努力の証、そして「私にもできる」という気持ちが、目の輝きとなって現れているのだと思う。
 「障害の有無にかかわらず、『学習したい』と望む人には教育の機会が与えられるべき」と熱く語ってくれたパスウェイのディレクターの言葉に、今回の取材を通じて強く納得した。【中村良子】

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1 Comment

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  1. 日本の方々は全ての分野と言ってよい程 アメリカ の真似が好きだなと日本の テレビ を見る度に感じています。

    中村良子様の記事にも障害者の親達が『あなたには障害があるから無理』とか『あなたに友達なんてできない』と否定的な言葉を子供達に投げているようです。 一般の アメリカ 人のようにもう少し positive な encourage を与える言葉が子供達には必要に思えます。 そして多くの アメリカ 人の親達が子供達を励ます行動を日本の親達が アメリカ 人の真似をされたらと痛感しています。 子供の独立心を尊び、子供が自分で世間の波に泳げるようにするのが、親の使命で大切かなと思います。 
    生意気なことを述べて済みませんでした。 私の孫 (1/4 白人、1/4 日本人、1/2 の韓国人の混血児)が重症の自閉症で、孫を通しての私の経験です。

    最後まで読んで頂いて、有り難う御座いました。