サムライのボランティア論

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 先月、ちょんまげ頭のカツラをかぶり、青いよろいを身にまとった一人の「サムライ」がロサンゼルスにやってきた。その名も「ちょんまげ隊」の通称ツンさん。本職は、千葉県で靴屋を営んでいる。
 彼は、震災以来避難所へ何度も足を運び、直接被災者から必要なものを聞いて回り、物資の調達、配達をしてきた。復興に向け動き出した現在でも、日々変わる被災地や被災者のニーズに応えている。
 ロサンゼルスの講演会では、「被災地の現状を理解してもらい、皆で支援を続けたい」と被災者の生の声が詰まったビデオを上映し、海を越えたわれわれに協力を求めた。
 震災以来、皆「自分たちに何ができるのか」を問い続け、ロサンゼルスでも募金活動や物資の輸送など活発に行われた。しかし震災から丸1年が経とうとしている今、物資の寄付などといった直接的支援から、被災地が通常通り機能できるための長期的支援へとシフトチェンジしている。
 ツンさんは、「被災地は観光客を待っています。今彼らに必要なのは、明日も生きようというモチベーション」といい、地元の旅館に泊まり、郷土料理を堪能することで、被災地復興の手伝いをしてほしいと呼びかけた。
 「カリフォルニアワインでも手土産に、『大変でしたね』と旅館の人に声をかけてあげてください。『わざわざ外国から来てくれたのか』と喜んで郷土料理を振る舞ってくれますし、夜も寝させてくれないほど震災の時の話をしてくれると思いますよ」
 「話を聞いてあげることも立派なボランティア」と話すツンさんは、被災地で他の慈善団体から「あなたのボランティア活動のコンセプトは? 構想は?」などと聞かれることが多々あったという。
 本来ボランティアとは、「困っている人に手を差し伸べる」「話を聞いてほしいと思っている人に耳を傾ける」など、もっとシンプルなものであり、決して自己満足ではいけないのだと、千葉県の「サムライ」からあらためて教わった。
【中村良子】

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