アメリカの肥満率は33.8%(CDC調べ)で3人に1人が太りすぎだという。最近は子どもの肥満も問題視され、オバマ大統領夫人は全米の学校給食で従来のピザなどの代わりに、新鮮な野菜や果物を献立に加える取り組みを行っている。
 一方日本では、若年層の女性の痩せすぎが深刻化しているという。先日、友人とレストランで食事をしていたら、明らかに日本から来たとみられる女性たちが隣の席についた。聞くつもりはなかったが自分は日本人なのでどうしても話の内容が耳に入ってきてしまう。「アメリカの食事っておいしそうだけどカロリー高そうだよね。太りそう…」
 アメリカには体格がいい人が多く、洋服のサイズも豊富なので、太ることに対して多少無頓着になっていた。しかし明らかに細い彼女たちの太ることへの警戒心を垣間見ると、日本では痩せていることが女性の理想体型なのだとあらためて感じた。
 厚生労働省の調べによると、20代の日本人女性の29%が痩せすぎだという。出生率が世界でもっとも低い国のひとつである日本で女性の痩せすぎが今後、出生率に何らかの影響を及ぼすのではないかとの懸念もあり、政府は今後10年間でその数を20%にまで減らすことを目標としている。
 日本人女性の痩せたい願望は、人気モデルに細い人が多く、自分たちもあんな風に痩せなくてはというプレッシャーからもきているという。アメリカでは昔から痩せているよりむしろ肉付きのいい女性の方がスタイルが良いとみなされていたというから、国が違えば志向も違う。
 1950年代、当時からグラマー信仰の強いアメリカではマリリン・モンローが圧倒的人気を博し、「永遠の妖精」女優のオードリー・ヘプバーンは米国より日本にファンが多かったという。やはり昔から日本にはスレンダーな体型への憧れがあったようだ。
 痩せすぎも太りすぎも結局は体に良くない。理想的な体型維持には健康面を考慮し、周りに左右され過ぎない強さも兼ね備えなければならない。【吉田純子】

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