あしなが育英会:LAマラソンで募金運動

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5Kに参加し仲間とともに走る佐藤さん(中央)

 東日本大震災でともに父親を失った遺児の佐藤大地さんと内村希さんは18日に開催されたLAマラソンで、日本の遺児支援団体「あしなが育英会」が行ったロサンゼルスでの資金集めのキャンペーンへの支援を求めた。佐藤さんは前日の5Kランに出場、マラソンでは2人そろって沿道からランナーを励ましながら遺児の厳しい現状を訴えた。
 5Kに参加した佐藤さんは小雨が降る中、同じ被災者の高校生7人とともに「希」や「HELP」「遺児」などとプリントした揃いのTシャツを着用して力走し、震災遺児の窮状を知らせた。起伏に富んだ難コースを20分ほどで完走し「僕の仕事は、このTシャツを着て精一杯走ること。アメリカの人が、どのように感じたのかは分からないけど、僕たちのような遺児がいることを分かってもらえたと思う」と述べた。

オレンジ郡で開かれたバザーのチェックを受け取る佐藤さん(左から3人目)と内村さん(右隣)

 2000人を超える震災遺児を代表し、参加した2人。一家の大黒柱を失い、経済的に困難となり1度は進学をあきらめたという。だが、あしながの奨学制度に救われ道が開けた。今春、佐藤さんは特殊救難隊を目指して海上保安学校へ、内村さんは保育士になるために短大にそれぞれ進む。
 2人は今回の訪米で、地元テレビ局KTLAの生放送に出演したり、地元の高校や敬老引退者ホーム、LA市警を訪問、討論会では英語でスピーチするなどし貴重な経験を積んだ。「学んだことを今後の人生に役立てたい」と口を揃え、遺児の支援活動を行う意向を示した。佐藤さんは「みんなの温かさを感じた10日間だった。思い出の1ページになった。実務に就くと外国人との交渉があるので、今回はいい経験をさせてもらった」と話した。内村さんは「(アメリカ人と)言葉は通じないけど気持ちを伝えることができ、心が通じ分かってもらえたと思う」と語り、遺児支援については「悲しく、辛い思いをした経験を生かして、子どもの夢を叶える活動に参加したい」と希望した。
 あしなが育英会は、2014年に岩手、宮城、福島に完成を目指す震災遺児の心のケア施設「東北レインボーハウス」とそのサテライト(沿岸部4カ所)の建設資金を募るキャンペーンを国内のほか世界で展開。ニューヨーク、中国・大連、パリ、ロサンゼルス、ブラジル・サンパウロの世界5都市を回った。同施設の建設・運営費は約35億円が必要だが、約18億円が不足しており活動を継続する。
 LAマラソンでの募金運動では、携帯用のティッシュペーパーとリストバンドを配布し活動内容を知らせ、約3200ドルを集めた。その他、地元日本語雑誌「ららら」が催したマジックショーの収益約1万4000ドル、日系記者クラブから約5000ドル、オレンジ郡の女性有志7人が主催したバザーの収益約2万ドル、南加宮城県人会から500ドルが寄せられ、遺児の激励・送別会で贈呈式が行われた。
 訪米団の鷲田等団長は、今回のキャンペーンは募金の額が目標ではないことを強調し「われわれの国際的な活動を分かってもらい、助けてもらうために来た。みなさんにお世話になって、そのことを伝えることができたと思う。外国でのキャンペーンは今回が初めてだったけど、上手くできたと思う」と述べた。【永田潤、写真も】

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