過去に学び、今後に生かす

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 「It’s not a matter of if. It’s a matter of when」(可能性の問題ではなく、時間の問題)—。これは、「加州に大地震は起こるのか」との質問に対し、地震専門家が述べた答え。
 加州には、巨大な「サンアンドレアス断層」が走る。同断層は北、中、南の3部に区分され、北部は1906年発生のサンフランシスコ地震(M7.8)、中部は1857年発生のフォートテフォン地震(M7.9)で移動したが、南部は約300年動いていない。断層の移動周期は約100〜150年というから、期限切れなのは明らかである。
 加州の大地震で記憶に新しいのは、1994年1月17日発生のノースリッジ地震(M6.7)。サンアンドレアス断層とは直接関係なく発生したが、住宅街を震源地とする直下型で、建物や高速道路などへの被害も大きかった。
 先月、震源地から1ブロック先に住んでいた人から当時の体験を聞いた。
 時刻は朝4時半過ぎ。彼女が目を覚ましたのは激しい揺れのせいではなく、おでこを何かにたたきつけられ、後頭部と背中を強打したことによる痛みだった。目を開くと、天井や壁がはがれ落ち、棚や冷蔵庫はなぎ倒され、窓ガラスは砕け散り、そこはまるで、工事現場のようだった。
 彼女は、下から激しく突き上げられた縦揺れでベッドから体が浮き、落ちてきた天井におでこをぶつけ、床にたたきつけられたのだという。その後、半壊状態のアパートからの脱出、避難は壮絶なものだった。
 彼女が身を持って体験したのは、枕元に最低でも次のものを用意すること①スニーカー=がれきの中をはだしで歩くことは危険②財布と家のかぎ、車のキー=工事現場と化した中これらを見つけるのは困難③懐中電灯、上着、最小限の食料、またペットを飼っている人はキャリーやリード、ペットフードなど。
 車で避難して学んだことは、ガソリンは常に半分以上を入れておくこと。地震で高速道路が崩壊し、一般道は大渋滞。途中ガス欠で止まる車も多く、ガソリンスタンドは長蛇の列だったという。
 明日で東日本大震災から1年。惨事を風化させないためにも、われわれには過去の経験から学び、今後に生かしていく使命がある。【中村良子】

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