関西の活性化

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 10年ほど前、訪日の際に南加日系商工会議所の役員として仙台・熊本・大阪・東京の4つの商工会議所を訪問した。日本各地の商工会議所との交流を深め会員にビジネスの可能性を広げるのが目的だった。
 日本がバブル崩壊から回復しきれず景気が低迷している時期で、訪問先の商工会議所ではそれぞれの運営方法や地域の特色・景気などを聞いて意見交換したが、いずれも景気は芳しくなく、特に大阪経済の地盤沈下が深刻なようだった。
 ロサンゼルスに帰って、関西クラブの役員会で新しい企画が議題となった時に提唱したのが「研修生招聘プログラム」である。コンセプトは、関西の大学生を対象に「関西の活性化」をメインテーマとした小論文を募集し、毎年優秀者2人をロサンゼルスに招聘して企業訪問や港湾・全米日系人博物館などの視察、懇談会を通じて視野を広めさせ、将来関西の担い手になってもらいたいというものだった。
 参加学生には論文作成で真剣に関西の活性化を考えてもらえるし、思わぬ斬新なアイディアが生まれるかも知れない。また帰国後の発表会で多くの人たちに参加してもらい、地元メディアの報道で各大学や経済界・行政などの関係者や市民にも関心を持ってもらえないか。やがて「関西活性化」をテーマにシンポジウムを開きたいというのが目標だった。
 その後も関西クラブの会員や日本の支援者のおかげでプログラムは継続し、今年は10周年を迎える。本題の「関西活性化」は大阪府知事から転じた橋下徹大阪市長によって大きく前進している。そればかりか彼の率いる大阪維新の会は、次期国会議員選挙にも多くの候補者を立てて日本に根本的なシステム改革を迫ろうとしている。橋下氏は閉塞感に喘いでいる日本に必要なのは政策でなく行政の仕組み・システムの変更だといい、それこそが政治家でなくてはやれない仕事だと明確に目標を掲げている。「体制維新―大阪都」(橋下徹・堺屋太一著、文藝春秋)には彼らの軌跡と将来目標が詳述されている。
 規模は違うが目指す目標は同じ、関西活性化を起爆剤とし、ぜひ日本の再生を達してほしい。【若尾龍彦】

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