日本政府:ハシモト、ワタナベ両氏に旭日双光章

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 日本政府は4月29日付で、平成24(2012)年春の叙勲受章者を発表した。在ロサンゼルス日本総領事館管轄区域関係者では、日系人社会の発展と友好親善の増進に寄与したことが認められたフランセス・カズコ・ハシモト、ヨシユキ・ビル・ワタナベの両氏にそれぞれ旭日双光章が授与される。両受章者の対日功績を紹介する。
 なお、ハシモト氏は6月6日に東京で行われる天皇拝謁および勲章伝達式に出席し、ワタナベ氏は5月18日午後2時半から総領事公邸で予定されている勲章伝達式に臨む。

【旭日双光章】
フランセス・カズコ・ハシモト(68歳)
小東京実業組合議長

 1943年アリゾナ州のポストン日系人収容所で出生。戦後、橋本家は小東京に戻り家業の和菓子店「三河屋」を再開し、ハシモト氏は家業を手伝いながら幼少時代を過ごした。南カリフォルニア大学を67年に卒業後、4年間小学校教師として勤めたが、母のケガを契機に家業の三河屋の後継者となることを決意、和菓子作りの修業を始め、70年には代表取締役に就任した。社長として、三河屋を町の一商店から5つの支店を持つ一企業にまで成長させるかたわら、社会活動にも情熱を注ぎ、これまでさまざまな日系コミュニティー団体で多くの役職を兼任し活躍している。

フランセス・カズコ・ハシモト氏

 94年から14年間、小東京実業組合会長として、また2008年から現在までは小東京実業組合議長として、名古屋の南大津通り商店街との姉妹通り提携、派遣団の交換、二世週日本祭実施にかかわる基金、ビジネスセミナー、市政への陳情などを進めるなど、小東京と小東京実業組合の活性化と発展に大きく貢献した。また、他の日系団体や自治体、非日系ビジネスと連携を取り、小東京の再活性化に尽力した。
 82年と90年に二世週実行委員長を務め、初の女性実行委員長ならではの視点から、恒例のコロネーションボウルにパフォーマンス部門を取り入れたり、日本の伝統文化に焦点を当てるなど、娯楽性を高め多くの見物客を集めることに成功した。結果としてイベント後も数多くの人々が小東京を訪れるようになるなど、小東京と日本文化の普及に大きく貢献した。また、二世週日本祭を通したロサンゼルス市と名古屋市との代表団交流の企画調整を行い、両国の文化・経済交流に多大な貢献をした。
 さらに、1910年創業の三河屋の3代目経営者として、和菓子文化とそれに付随するさまざまな日本伝統文化の普及に、大きく寄与した。南カリフォルニアで伝統的な和菓子文化を忠実に守り続けてきた三河屋は、同氏の下で事業を拡大し、同社のモチ・アイスクリームは、全米の日本食レストランやスーパーマーケットで販売され、米国の一般家庭に和菓子文化を浸透させている。

【旭日双光章】
ヨシユキ・ビル・ワタナベ(68歳)
リトル東京サービスセンター所長

 第二次世界大戦中、カリフォルニア州マンザナーの日系人収容所で出生。カリフォルニア州立大学ノースリッジ校卒業後に一時期民間会社に勤務した後、早稲田大学国際部に1年間留学し、日本の文化と歴史を学んだ。帰国後はカリフォルニア大学ロサンゼルス校で社会福祉を学び修士号を取得。その後、日系パイオニアセンターで二世プロジェクトと呼ばれる企画の責任者として勤務した。

ヨシユキ・ビル・ワタナベ氏

 1978年から、カリフォルニアの発展に貢献し人種差別を克服して日系社会を築いてきた日系1世の高齢化と福祉を案じ、またその他必要とする在留邦人や日系人のニーズに応える形で、日系社会の有志により、リトル東京に日英両言語で総合的な福祉サービスが受けられるセンターの開設を企画し、80年1月に同氏が所長かつ最初の職員となり非営利団体「リトル東京サービスセンター」として福祉サービス活動を開始した。
 同センターの活動を通して、在留邦人および日系人に対する社会福祉サービスおよび臨床心理相談サービスの実施、在留邦人を含む一般市民に対する日系人社会の歴史、文化遺産の保存、伝承などを行うとともに、リトル東京の再活性化策として、「豆腐フェスティバル」と呼ばれるイベントのイニシアティブをとり、小東京の活性化と日本の食生活・文化の米国の一般社会への紹介に貢献した。同氏のもとで同センターは規模を拡大し、現在では150人の職員を雇用し、毎年数千件のサービスを提供する機関となっている。
 また、南カリフォルニアの日系社会の文化遺産の中心であり日本文化の象徴である小東京の歴史と文化の保存にも携わっており、94年に発生したノースリッジ地震の後には同氏が先頭に立って崩壊の危機にあった歴史的建造物の修復にあたった。さらに現在、小東京地区において、同氏の発案による柔道、剣道、空手その他のスポーツの大会会場ともなりうる武道館の建設が2014年にも着工予定で、同武道館が完成した際には年間10万人の来訪者が見込まれており、小東京の活性化と日本文化の普及、発展に資することが期待される。

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