フリーウエーをスムーズな状態に保つのもメトロの役割の一つ。写真は、交通渋滞が激しいウエストロサンゼルス周辺のサンディエゴ・フリーウエー405号

 ロサンゼルス郡内で電車やバスを運営するメトロは、フリーウエーでのパンクやガス欠、バッテリー上がりなどといった故障車の救援サービス(メトロ・フリーウエー・サービスパトロール)を無料で行っている。サービスは、ロサンゼルス郡内のフリーウエーに限られる。
 利用方法は、携帯電話から「#399」をダイヤルし、オペレーターに現在地と故障の状況を伝えるだけ。オペレーターは英語とスペイン語で対応でき、その他の言語はリクエストによって通訳がつく。携帯電話を所持していない人は、フリーウエーに設置された電話ボックスから「#」を押すとオペレーターに接続される。
 サービスパトロールは常にフリーウエーを巡回しており、ラッシュ時間である午前6時から10時、また午後3時から7時の間は計152台のサービス車がオペレーターからの連絡を待ちながらフリーウエーで故障車の発見に努め対応している。平日の昼間はパトロール車の数が41台に縮小されるが、サービス内容に変化はない。
 主なサービスは、パンクしたタイヤの交換やバッテリーが上がった車のジャンプスタート、ラジエーター冷却液の補給、ガス欠車へのガソリン提供などで、フリーウエーに残された障害物などの撤去や、各ドライバーが加盟するオートクラブへの連絡の手伝いにもあたる。自宅や修理店までのけん引サービスは行っていない。
 また、フリーウエー710と同91では、通常のサービス車では対応できないトラックや大型トレーラーなどの対応を専門に扱うビッグリグ・サービスパトロール車が巡回している。
 メトロによると、1991年に同サービスを開始して以来、毎月2万5000台以上(年平均30万台)の故障車の対応にあたり、サービス車が到着するまでの待ち時間は平均5分以内という。
 ロサンゼルス郡内の交通に関する企画、コーディネート、デザイン、設計、運営を任されるメトロには、フリーウエーをスムーズな状態に保つ任務も含まれる。ラッシュ時に車が5分間停止すると、ただちに20分以上の渋滞を引き起こすため、事故車の移動や修理を迅速に行うことで、見物渋滞や二次事故を防ぐだけでなく、ガソリン節約や排気ガス削減にもつながるとしている。
 これらサービスは、州からの助成金と、1990年にロサンゼルス郡の住民投票で可決された提案C(交通関連事業への資金捻出のための売上税0・5セント増案)により運営されている。
【中村良子、写真も】

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