日米修好100周年記念奨学金:日系子弟19人に授与

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今年度の奨学金受賞生と竹花会頭(後列右から5人目)


学生を代表しあいさつに立つ松本千花さん


 南加日系商工会議所(竹花晴夫会頭)は7月28日、「日米修好100周年記念奨学金基金」の授与式と功労者顕彰式をモンテベロで催した。厳正なる審査の結果、今年は優秀な成績で高校を卒業した大学進学者19人が選ばれ、それぞれに1000ドルの奨学金が授与された。
 同奨学基金は1960年、日米修好条約締結100周年を記念して南加日系商工会議所が設立。資金は、会員や日系社会の有志、企業などからの寄付金で賄われており、60年から2011年までに総額76万3950ドル、計1637人の日系子弟に授与されている。
 あいさつに立った竹花会頭は、高騰を続ける授業料やその他教科書代、生活費などを考慮すると「1000ドルという額はささやかなものであるが、この奨学金の持つ意味は額ではなく、栄誉」と説き、受賞者19人一人ひとりの努力とその成果を心から称えた。さらに、日本人という自身のルーツを誇りに思ってほしいと訴え、「君たちには素晴らしい未来が待っています。何事も諦めず、武士道精神を持って羽ばたいてほしい」と次世代を担う若者に力強いエールを送った。
 在ロサンゼルス日本総領事館の進藤雄介首席領事は、2年前に同授与式に参加した際に披露した「米百俵」の話を振り返り、「日本は昔から教育を重視していた」と触れ、この不況の中、奨学金授与式を続けている南加日商に感謝の言葉を述べた。また、学生たちに対し、「この奨学金が皆さんと日系社会の絆を強めてくれることを期待しています」と締めくくった。
 学生を代表しあいさつに立ったのは、日本で生まれ、3歳で両親と姉の家族4人で渡米した松本千花さん。日商はじめ日系社会の関係者や今まで支えてくれた家族や友人らに感謝の言葉を述べた。
 松本さんは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)への進学が決まっており、将来はバイリンガルの小児科医を目指す。きっかけは、1人の自閉症児との出会いだった。松本さんが通うテニスクラブの隣に特別学級のセンターがあり、毎回姿を見かける男の子がいた。「ある日、その子に手を振ってみたんです。その時に返してくれた大きな笑顔が忘れられなくて、自閉症やダウン症、その他の遺伝性疾患の治療法を見つけたいと思った」と将来の目標を語った。

竹花会頭(右端)から盾を贈られるニシダ夫妻


 また日商はこの日、長年にわたり同基金に貢献しているニシダ夫妻を表彰、感謝状を手渡した。ニシダさんは、学生らの功績を称えるとともに、「日系社会の支援を忘れず、いつか戻ってきてほしい」と呼びかけた。
 基調演説は、外務省、全米日系人博物館を経て、現在ユニオンバンクの広報部シニア・バイスプレジデントを務める海部優子さんが行い、政府機関から非営利団体、そして現在の一般企業とキャリアを転向していった自身の経験に触れ、(1)常に志を持ち(2)柔軟性を身につけ(3)自分をいたわる―ことを忘れないでほしいとアドバイス。また、現在の日系社会を築き上げたパイオニアに感謝し、同コミュニティーの一員であることに誇りをもって、自身の道を歩んでいってほしいとエールを送った。
 今年度の奨学金受賞者は次の通り。(敬称略)
 ▽ダレン・アンドウ、ロナ・カブレア、ケイトリン・ダンレビ、ワカナ・フジワラ、マイケル・フルヤ、ニコール・ハマサキ、アドリ・イリヤマ、キャサリン・イシダ、ジョセリン・ケンモツ、チカ・マツモト、ナオミ・モリ、ニコール・ナカガワ、キアナ・ナカムラ、ユメ・ニシ、マイ・ニシシバ、ジェナ・シャー、デレク・ツカヒラ、メイソン・ウエムラ、ヒロミチ・ヤマモト 【中村良子、写真も】

基調演説するユニオンバンクの海部優子さん

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