アメリカの暗黙のルール

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 大統領選挙投票日の夜、オバマ再選が確定した後、ロムニー候補は、Concession speech「敗北演説」を行った。負けを潔く認め、勝利者をたたえ、素晴らしい国づくりに協力する、と。キャンペーン中、あれだけ中傷合戦をしたので、本心は定かではないが、国民に対してケジメをつける意味でも、「敗北演説」は、素晴らしいアメリカの暗黙のルールだ。フェア精神を感じる。
 メジャー・リーグのニューヨーク・ヤンキースの選手は、長髪やヒゲは禁止らしい。それを初めて知った時、個人の自由を尊重するアメリカなのに…? 多少の矛盾を感じた。しかし、「紳士たるべき風貌」を求められているからだ、と友達が説明してくれて納得できた。会社規律のドレスコードと理解すればいい、と。なるほど。
 他の暗黙のルールとは何だろうか?
 ロサンゼルスの金曜日夕方のラッシュアワーは、通常の5時半頃ではなく、3時半頃から始まる。金曜日の仕事は、早めに切り上げていい…?
 他人と目が合うとニッコリする。
 皆でピザをシェアして食べる時、最後のひと切れは必ず残して手をつけない。まず人に勧めて、断られたら自分で取る。
 男女のグループでレストランに入った時、女性からオーダーする。
 通常、誰も入っていないトイレのドアは最低半開きにする。
 列に並ぶ時、前後のスペースは、腕を伸ばした程の距離を開ける。ぴったりつかない。
 身内で離婚の際は、血縁関係者の味方をする。
 どの社会でもルールやマナーがある。国民性に反映して形成されていくものかもしれない。
 オバマ大統領のVictory speech「勝利演説」(もしくはAcceptance speech「就任演説」)では、国を前進させるためにロムニー氏と今後も話し合うと、敗北者の健闘をたたえた。激しい戦いは、共に国家を愛しているからだ、と。
 日本の政治にもぜひとも取り入れてもらいたい暗黙のルールだ。敬意を表する武士道精神が宿っているはずだが…。【長土居政史】

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