幾度も地元のメディアを賑わしては消えていくトピックだ。
 LAはNYに次ぐアメリカ第2の都市にも関わらず、アメリカの象徴であるアメフトのプロチームが存在しない。よく考えると不可解である。まるで大阪に野球チームがないようなものだ。
 以前は2つのチームが存在した。しかし1990年代半ば、レイダーズがオークランドに、ラムズ(アナハイムが本拠地)がセントルイスに移転してしまった。それ以来20年近くチームがない。地元の政治家や企業は誘致活動に積極的だが、実現までには至っていない。なぜだろう? 理由をいくつか考えた。
 ▽USC、UCLAの人気ある強い大学チームがあるのでプロの入る余地がない。
 ▽プロバスケの人気ある強豪レイカーズ(最近はクリッパーズも)、メジャーのドジャース(アナハイムのエンゼルスも)があるため、スポーツファンは十分満足している。
 ▽昨シーズン優勝したアイスホッケーのキングス(アナハイムのダックスも)、2連覇中のサッカーのギャラクシー(チバスUSAも)があるので、これ以上のスポーツチームは必要ない。
 ▽NFLオーナー側が、ビジネスとして見込めない、つまりスタジアムを満員にする観客を動員できないと思っている。
 アメフトは基本的に冬のスポーツだ。地元の住民が株主になっているNFL屈指の名門グリーンベイ・パッカーズは、熱狂的ファンがサポートし、1960年以来毎試合、超満員になる。最近の増資では地元に限らず誰でも株主になれる規定に変更した。ちなみにミシガン湖の湖畔に位置する市の人口は10万人ほどで、スタジアムは8万人まで収容できる。
 LAは天気が良いため、試合のある日曜の過ごし方は、多くの選択肢がある。BBQパーティー、遊園地、海水浴、ドライブ、ジョギング、ハイキング、などの娯楽だ。
 一言でいえば、ロサンゼルスは「フットボールタウン」ではないのだろう。なくてもこれまで普通に生きてこられたのだから。
 ちなみに、万が一、誘致に成功した場合を想定し、チーム名を考えてみたが、それはまたの機会に。【長土居政史】

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