グランドサークル旅行記③: 国立公園閉鎖も何のその

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雄大な景色が広がるモニュメントバレー

雄大な景色が広がるモニュメントバレー

 コロラド州イグナシオで南ユート族の祈りの儀式を披露してくれたボックス夫妻に別れを告げ、ユタ州南部からアリゾナ州北部にかけて広がるモニュメント・バレーへ。コロラド・ステート・ハイウエー172を北上し、USルート160に合流したらひたすら西へと車を走らせる。
ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の4州の境界線が交差するフォー・コーナーズ

ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の4州の境界線が交差するフォー・コーナーズ

 途中、ユタ州、コロラド州、ニューメキシコ州、アリゾナ州の4州の境界線が交差するフォー・コーナーズに立ち寄った。米国に50州ある中で4州の境界線が1点で交わるのはここだけだ。
 フォー・コーナーズの後、西に進むにつれて景色は赤やオレンジの岩山が多くなってくる。途中USルート163の道中にあるグースネック州立公園とメキシカンハットを訪れた。グースネック州立公園はユタ州が管轄しているので、政府機関が閉鎖中でも入ることができる。
 グースネックはパゴサ・スプリングスにも流れていたサンファン川が長い年月をかけて浸食し、3連に大蛇行している。展望台の下は1000フィート(約300メートル)の断崖絶壁。フェンスは一部にしかないため写真を撮る時は注意が必要だ。その名の通り、角度を変えるとガチョウの首に見えなくもない。大自然が生みだした迫力ある景色は一見の価値がある。
メキシカンハットをかぶった旅人が岩山から遠くを眺めているように見えるメキシカンハット・ロック

メキシカンハットをかぶった旅人が岩山から遠くを眺めているように見えるメキシカンハット・ロック

  グースネック州立公園から15分ほど南下するとメキシカンハットという小さな町がある。この町にたどり着くすぐ手前にメキシカンハット・ロックと呼ばれる岩がある。ちょうどメキシカンハットをかぶった旅人が岩山の頂上から遥か遠くを眺めているように見えることからその名がついた。人口的に作られたのではなく、自然に形づくられた岩。今も昔もモニュメント・バレーに向かう人、帰る人をただじっと静かに見守っているようだ。
 モニュメント・バレーまで進むとその先の町カイエンタまでガソリンスタンドがないので、メキシカンハットの町では必ずガソリンの給油を行おう。
 メキシカンハットからUSルート163を南下すると、一直線に伸びる道の先にモニュメント・バレーのメサ(水平に堆積した地層に、極端な侵食が行われテーブル形状になった大きな岩)とビュート(メサの侵食が進み、台地面の直径が高さよりも小さくなった岩)が立ちはだかる。どこかで見覚えのある景色と思ったら、映画「フォレスト・ガンプ」で主人公のフォレストが突然走るのを止めるシーンだ。実際に撮影はこの場所で行われた。
 さらに南下するとモニュメント・バレー・ナバホ・トライバル公園の入り口にたどり着く。公園はネイティブ・アメリカンのナバホ族が管理、運営している。ナバホ族の総人口は約30万人で米最大規模の部族だ。
 この地域はナバホ・ネイションと呼ばれ、ナバホ族の居留地になっている。米国政府からは独立した国家として成り立っており、独自の法律や行政、学校や警察がある。そのため米政府機関閉鎖の時もまったく影響を受けない。現在も公園内には12家族が生活している。
カウボーイに扮し、モニュメント・バレーのジョン・フォード・ポイントでポーズをとるナバホ族の青年

カウボーイに扮し、モニュメント・バレーのジョン・フォード・ポイントでポーズをとるナバホ族の青年

 滞在中は同公園内にある唯一のホテル、モニュメント・バレー・ビュー・ホテルに宿泊した。全室からモニュメント・バレーを一望でき、バルコニーから見る朝日と、徐々にオレンジ色に染まるモニュメント・バレーの朝焼けは息をのむ美しさだ。
 ナバホ・ネイションでは飲酒が禁止されているため、ホテルでもアルコール類は一切販売していない。
 翌日はモニュメント・バレーの名所をジープで回るツアーに参加した。5時間のコース(1人130ドル)に申し込み、観光客でも車で入ることができるモニュメント・バレーと、その反対側にあるナバホ族の人しか入ることができないミステリー・バレーの両方を観光した。
 ミステリー・バレーの道は舗装されておらず、まるでローラーコースターに乗っているかのようにジープは揺れる。このエリアには昔のナバホ族が住んでいた遺跡や壁画、自然が作り出した大きなアーチも残っている。ナバホ族のガイドは時折、古くから部族に伝わる歌を太鼓演奏とともに披露してくれた。
 モニュメント・バレーでは人間の顔や動物の形に見えるメサのほか、ジョン・フォード監督がジョン・ウェイン主演で撮った映画「駅馬車」や「捜索者」のロケ地も見てまわった。
 旅の最終日は一路ソルトレイク・シティーへ。しかしここで朗報が。閉鎖中だった国立公園だが、連邦政府に代わりユタ州が運営費を負担して同州内にある国立公園が再開したというのだ。そこで帰りにモアブにあるキャニオンランズ国立公園に立ち寄り、グランドキャニオンを超えると称される絶景を堪能し、後ろ髪を引かれつつグランドサークルを後にした。(おわり)【吉田純子、写真も】
川が浸食し3連に大蛇行するグースネック州立公園

川が浸食し3連に大蛇行するグースネック州立公園


ビュー・ホテルの客室から一望できるモニュメント・バレーの眺め

ビュー・ホテルの客室から一望できるモニュメント・バレーの眺め


最後の最後で入ることができたキャニオンランズ国立公園のグランド・ビュー・ポイントからの眺め

最後の最後で入ることができたキャニオンランズ国立公園のグランド・ビュー・ポイントからの眺め

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