中村さんに旭日双光章:日系社会の発展と文化普及に寄与

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新美潤総領事(右)から賞状を授与される中村さん

新美潤総領事(右)から賞状を授与される中村さん

 日本政府の平成25(2013)年秋の叙勲で、「旭日双光章」を受章した元南加日系商工会議所会頭の中村達司さんに対する伝達式が19日、ハンコックパークの総領事公邸で開かれた。中村さんの叙勲は、南カリフォルニアにおける日系コミュニティーの活性化および日本文化の普及に寄与したことが認められたもので、新美潤総領事から勲章と賞状が授与された。
 中村さんは、生まれ故郷の鹿児島県日置市で20歳まで過ごし、留学のため1956年渡米。苦学してパサデナ・ナザレン大学を卒業し、経営学学士号を取得した。
 米国住友銀行に3年半勤めた後、66年にホテルを開業。商才を発揮し、50室2軒と200室1軒を21年間所有するなど成功を収めた。だが、ロサンゼルス・ダウンタウンでのビジネスは昼夜、宿泊客とのトラブルが絶えなかったという。問題解決に明け暮れた末、心身ともに疲労し、57歳の時に一時帰休を決断した。英気を養って、前線復帰の心づもりでいたが、実現せず早期リタイアとなった。
 温存する形となったエネルギーは、奉仕に費やすことになり日系社会の発展と日本の伝統文化の普及に貢献。献身は、ビジネスで助けてもらった社会への恩返しでもあったという。さまざまな団体に属し、南加日系商工会議所会頭、南加県人会協議会会長など、有力7団体で重職を歴任。次世代を担う若者育成の重要性を説き、奨学金制度や日本語教育の支援に特に力を注ぐ。さらに、書道、華道、詩吟での活躍は著しく、日本文化と書道の普及に尽力した功績により、今年4月には在ロサンゼルス日本総領事表彰を受けた。
祝杯を挙げる参列者。左から新美総領事、中村さん、けい子夫人、長女のローズマリーさん

祝杯を挙げる参列者。左から新美総領事、中村さん、けい子夫人、長女のローズマリーさん

 伝達式では、総領事と南加日系商工会議所会頭の青木義男さんが祝辞を述べた。各人は功績をたたえ、いっそうの活躍に期待を寄せた。
 総領事は、中村さんを顕彰し「日系の団体で精力的に奉仕活動に専心してきた。(主要3団体で)会長を務めたことは、日系社会のメンバーからの人望が厚いことがうかがえる」とたたえた。「日系社会の今日の繁栄があるのは、偏に中村さんのような方々の弛みない尽力があってこそ」と賛辞を呈した。
 青木さんは、南加日商に加入した際に、中村さんから「長くしゃべり過ぎないように」などと、日系社会の流儀について、事細かく教わったという。仰いだアドバイスを守った青木さんは、南加日商会頭に信任を得るなどし恩に着る。受章について「日系コミュニティーにとってとても喜ばしい。功績は多大で、人がまねできることではない」などと称賛した。
 中村さんが謝辞を述べ、受勲に対し「恐縮している。今後もいろんな面で、日系社会または、日米関係のために少しでも力になれるように頑張りたいと思っている」と意欲を示し、活動継続のための支援を求めた。
 乾杯の音頭は、中村さんの書の師匠である米国書道研究会会長の生田博子さんがとり「これからもますます元気を出し、われわれ日系社会と日本文化の継承に努めてほしい」と祈念した。参列者は叙勲者が多く、中村さんとともに汗を流した同士ばかりだ。中村さんと同郷のタック西さんは県人会でともに活動し、演芸会や歓迎会、ピクニックなどを盛り上げ、創立114年の伝統を誇る会を支えてきた。中村さんを評し「社交性があるので、県人会だけではなく、いろんな方面で誠心誠意、頑張ってくれている。鹿児島出身者の受章は、本当にうれしい」と語った。
 中村さんは、輝く勲章を胸に付け「受章はありがたく、感謝感激」と素直に喜ぶ。長年の奉仕のモチベーションは「他の人たちのための力になりたい」という一心だった。ここ1年半ほどは体調が優れないというが、この日は祝福を受け笑みを絶やさず「元気を取り戻した。78歳になるけど、若い人たちと南加の日系社会のためにもう一度頑張りたい」と再起を誓った。【永田潤、写真も】
表彰式には、中村さんの多くの同士が駆けつけ祝った。前列左から4人目が中村さん

表彰式には、中村さんの多くの同士が駆けつけ祝った。前列左から4人目が中村さん

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