創設40周年で記念公演:全身全霊、大観衆は陶酔

0

オープニングを飾った「LA祭太鼓」と「ベニス光心太鼓」による「気炎ばやし」

オープニングを飾った「LA祭太鼓」と「ベニス光心太鼓」による「気炎ばやし」

 大江戸助六太鼓など日本で磨いた技と和の精神をロサンゼルスに伝えた本郷悦雄さんが、1973年に創設した「LA祭太鼓」。その40周年を祝う記念コンサートが2日、アラタニ劇場で開かれ、同門の「ベニス光心太鼓」と、日本から招いたプロの座古瑞穂らとともに全身全霊のパフォーマンスを見せ、会場をいっぱいに埋めた800人を超える大観衆は陶酔した。
LA祭太鼓が誇る大太鼓 「Thunder」

LA祭太鼓が誇る大太鼓 「Thunder」

 創始者の本郷さんは、南米での和太鼓の普及を発起し6年半前にチリに移住した。後を託された井上由紀、戸田千秋の両リーダーが、本郷さんの築いたスタイルを継承し、新たなメンバーを加え、時代に合わせてアレンジしながら活動の幅を広げている。
 記念公演では、過去10年毎の代表曲を網羅し40年の歩みを振り返った。オリジナル曲を忠実に演奏するだけでなく、ギター、ベース、ドラムの洋楽器との型破りなコラボレーションにも挑戦。本郷さん手製で全米最大規模という5フィートの大太鼓 「Thunder」も駆使した。地元にすっかり定着した盆踊りに加え、2頭の獅子舞とひょっとこの滑稽な共演など、演出にも工夫を凝らせた。全13曲を渾身の力を込めて叩き、スタンディングオベーションを浴びた。
 公演には総勢約70人が出演し、大きな節目に花を添えた。本郷さんの弟子が教えるグレンデールのバーデューゴ・ウッドランズ小学校の生徒22人で構成する「木の芽太鼓」は、勇ましい掛け声で元気いっぱいの演奏を見せ将来が嘱望される。
 特別ゲストの座古は、大江戸助六太鼓の主力メンバー。女性ならではのしなやかさ、華やかさを見せつつ、大江戸助六太鼓の名曲「四段打ち」では、跳ね回りながら複数の太鼓を操る妙技で魅了し「助六の踊りの要素を取り入れた様式美と音の迫力を兼ね備えた演奏を聴いてもらえたと思う。温かい拍手をもらいうれしかった」と述べた。当地の太鼓人気については、精神の内面性を追求する日本スタイルに反し「パフォーマンス性に富み、お客さんにアピールしていて素晴らしい」と評価した。
プロの妙技を披露した座古瑞穂

プロの妙技を披露した座古瑞穂

 この日のために本郷さんが、はるばるチリから駆けつけた。会場からステージを見守り「最初の曲を聴いた時には泣きそうになった。どこか悪い箇所を見つけようと思ったができなかった」と演奏に聴き入った。「太鼓は力ではなく、合理的な構えで打つ」などと、教えたことが演奏の節々で感じられたといい「気持ちが伝わってきた」と喜んだ。当地に根付いた太鼓文化の創成期を振り返って「40年前は2、3グループしかなかった。今は、驚くほど増えた」と語り、「太鼓は、その土地の風土に合わせたスタイルで育つべきだけど、元は日本のもの」と力説し、アメリカナイズされた他のグループとは一線を画す。弟子に向けては「新しい曲を作り、独自のスタイルで表現してほしい」とエールを送った。
 リーダーの井上さんによると、新体制での公演は今回が初めてだという。「2年前から準備し、ようやくここまできた。みんなでやり遂げた」と達成感に浸りながらも、「いい音を出せないこともあった」と課題に向き合う。今後については「それぞれの動きは、次の音につながる」など、本郷師のスタイルを貫く構えを示し「新しい曲を作り、新しいページを切り開き、よりよい音を追求したい」と、意欲を示した。
 LA祭り太鼓は、メンバー19人が所属。活動は、西本願寺、パサデナ、サンバレー各所の盆踊り、サンタアニタ競馬場の東京シティカップ、LAマラソン、二世週祭、映画祭、結婚式などプライベートのレセプションなどにも呼ばれ、月平均2回というペースで演奏する。稽古は、西本願寺を道場に月、水曜の午後7時半から9時まで。
 LA祭太鼓のウエブサイト―
  www.lataiko.com
【永田潤、写真も】
元気に飛び跳ねるグレンデールの小学生グループ「木の芽太鼓」

元気に飛び跳ねるグレンデールの小学生グループ「木の芽太鼓」


和太鼓と洋楽器のコラボレーション

和太鼓と洋楽器のコラボレーション

Share.

Leave A Reply