スクラムを考案

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 アメリカで冬のスポーツといえば、アメフトが人気だ。日本は、やはりラグビーだろう。
 イギリスのラグビー校で、ウィリアム・ウェッブ・エリス少年が、フットボール(厳密にいうとサッカーとは違うらしい)の試合中に、ボールを持って走り出した事件からラグビーは発祥した。
 このスポーツの醍醐味といえば、「スクラム」である。敵と味方のフォワードといわれる8人ずつ(計16人)の選手が3列ごとに形成して組み合う。スクラムの中心にボールを入れた瞬間、押し合いが始まる。一列目の真ん中の選手が、足をかいてボールを味方の最後尾の選手まで送り、ボールを出し、プレーが続行する。実際に経験してみて、このからくりを理解すると、なるほど、うまく工夫されている作りだと感心する。
 レスリングのように、敵味方の体が、がっちりと組み合うので、肌でお互いの力関係が感じ取れる。皆、一体になってバランスを取らないと崩れてしまう。力と力のぶつかり合いだが、奥深い技術と頭脳で、いかに有利にするか、力加減を譲り合ったり、些細な気配りをしながら、見えない駆け引きが繰広げられているのだ。
 ところで一体誰が、スクラムを考案したのだろう? このユニークなコンセプトが素晴らしい。
 1886年に国際ラグビー評議会が設立され、ルール作りが提唱された。当時は、途中でプレーが止まると、ボールのある所に誰でもいいから早い順に人が密集を作り、そこからまたボールを出して再開されるという仕組みだったらしい。その後、6名ずつで組むようになったり、さまざまな修正を経て、現在のスクラムが確立された…ということで、特定した誰かがスクラムを発案したのではなく、自然に進化した結果のようだ。
 「スクラム」は、まさに団結、チームワークの原点である。我慢、規律を学び、仲間意識だけでなく、敵への思いやりや信頼関係も生まれてくるから不思議だ。
 ちなみにアメフトを創案し「アメフトの父」といわれるウォルター・キャンプは、Yale大学でラグビー選手として活躍した。そこからヒントを得て、アメフトのルールを編み出したそうである。
 スポーツへの熱意で寒い冬を乗り切ろう!【長土居政史】

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