年の瀬の胸算用

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 ホリデーシーズンにはさまざまな団体から寄付を勧誘するメールが配達されてくる。ペイチェックから次のペイチェックまでぎりぎりの生活を送っている人でも、このシーズンは振れない袖を無理に振って、たとえ少額でも応える努力をする。
 自分の出来る範囲で、困っている人をできるだけ支援したいという心意気。アメリカ社会の素晴らしい一面だ。
 そんな折、パロスバルデスエステートに住む富豪がトーレンス・メモリアル病院になんと5000万ドルを寄付。このような桁違いの寄付はアメリカでは時おり見聞するが、あるところにはあるものだなあ~と、いつも感心するばかり。
 人は、1%のチャンスと99%の努力で成功するとも言われるが、分かっていてもなかなかゴールに辿り着けないのが一般社会の現実。平均的なアメリカ人は現在、可処分所得の4.9%しか貯金できないという。1975年の14.6%と比べると大幅ダウンだ。
 景気が回復基調にあり、先月の失業率が5年ぶりに7%まで低下したといっても、まだまだ私たちの生活は苦しい。たとえフルタイムで働いたとしても、年収は連邦政府の定める貧困レベル以下という人も結構いる。それに輪を掛けるのが、多くの人にみられる消費グセ。
 支出が月収を超えてしまう月が年間で数カ月になる人は、全体の52%もいる(2012年の調査)。家計学の専門家に言わせれば、「単純に使いすぎだ」ということになり、あと先を考えない安易な消費行動を警告している。
 足らない分の穴埋めは預金の取り崩しやクレジットカードに頼るわけだが、カードに頼りすぎて夜逃げ同然に姿をくらましている人や自己破産する人は後を絶たない。
 そのとばっちりが、一所帯平均で7050ドルもあるカードバランスの高利子負担となってはねかえってきているわけだ。
 年の瀬が近づくと、世間胸算用ではないが、なぜかお金に絡む出来事も多く発生する。どなたさまも、ご注意を!【石原 嵩】

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