「最近の若者は」と嘆く前に

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 先日、アメリカに留学している卒業間近の約30人の日本人大学生を相手に話をする機会をいただいた。最初は年齢があまりにも離れているので、躊躇(ちゅうちょ)したが、今まで多くの先輩、取引先にお世話になった恩返しと思って引き受けた。
 講演内容は「あなたの夢はなんですか」。これから社会に出る学生は、夢と現実、社会に出る希望と不安でいっぱい。そして近い将来直面するであろう多くの困難に負けてほしくない、という思いで、筆者の数多くある失敗を含めて話をした。
 最近の若者というと、管理職の友人から聞く話は、就業時間中になぜフェイスブックをしてはいけないかを説明しなくてはならなかったり、TOEICが満点でも、基本的な業務ができなかったり、ちょっと注意するとすぐに会社を辞める、などなど、ネガティブなことばかり。
 果たして話を理解してもらえるか不安があったが、講演が終わると、たくさんの質問が出て驚いた。多くの学生がやりたいことがあって、どうすればいいのか真剣に悩んでいた。個別に話をしにきてくれた学生たちは、自分のやりたいことを一生懸命話をしてくれて、その瞳がとても澄んでいることに感動した。
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 昨年末の日本経済新聞記事によると、日本人の留学生の数は2004年の8万3000人をピークに毎年減少し、08年には23%少ない6万7000人にまで下がっている。しかし、重要なのは日本の若者人口の総数も同時に減少している点である。現在の留学者率は実はバブル期の2倍以上で、過去最高水準という見方になるという。
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 そして、いつの時代も若者は「今足りないもの」に目がいくという。若者の車離れなど言われて久しいが、昔のようにモノ不足でない代わりに、社会に取り残される弱者へのサービスなどをベンチャーで手がける若者が多い。それも日本国内に限らず、世界に飛び出して起業している。
 いつの時代も「今の若者は…」と嘆く風潮があるが、もっと若者を育てるのびのびとした社会に大人が変えていく必要があると痛感した。【下井庸子】

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