わが家の母の日

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 5月第2週の日曜日になっても、わが家には母の日は訪れません。スペインのように5月第1週になるわけでもありません。毎年この時期に行なわれるイベントのため、とても自分の家族のことを考える余裕がない状態になり、寝食を忘れて準備や実行に追われるからです。
 それでも妻への短い手紙でも書いたり、ねぎらいの言葉を掛ければいいのですが、そんなことにさえ時間を惜しんでしまっていることに、罪悪感さえ覚えていました。今年も日本から大切なお客さまを迎えるために1年も前からの準備を進めていましたので、やっぱり母の日はありませんでした。
 そこで今年の母の日はできる限り一緒に行動をして、コミュニケーションをする時間を少しでも多くつくることで、感謝の気持ちを表せたらと思っていました。子供たちには自分が汗を拭く姿や目標達成を目指す姿を見せ、周到な準備や想定、失敗が起こっても次に取れる最善の方法を探すなど、自分の行動を見せることによって伝えたいと思いました。不手際にみかねて、二言三言の苦言を言いながらも、それでもいろいろなアイデアで問題を解決する道筋をつくってくれる家族がいました。本来不器用で、話ベタな性格の自分がありますから、それを補完してくれる家族がいるのです。
 あわただしかったイベントの後、日本からの大切なお客さまとご一緒し、ゆっくりと夕食を頂きました。それが唯一、今年の母の日にできたことでした。そして子供たちだけを残して、深夜に帰宅すると、マミーのお気に入りの椅子の上には、「Happy Mothers Day ! ! !」と、子供たちが懸命に描いたカードと、マミーの好きそうな色を揃えたきれいなお花がありました。
 子供たちがどんな気持ちで花を買い、自分のお小遣いを使って母に感謝を伝えようとしたのかを考えると、とても幸せな気持ちが込み上げてきました。わが家にはランチを楽しんだりする母の日はありませんが、それでも幸せで特別な母の日が訪れるのです。【朝倉巨瑞】

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