3Dプリンターは平和利用を

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 拳銃を2丁所持したとし、日本で男性が逮捕された。ここまでは、たまにあるニュース。しかし、容疑者は自宅で作ったといい、さらにその製造は市販されている3Dプリンターを用いたというから驚きだ。樹脂製の銃は、十分な殺傷能力が認められたというから恐い。「違法とは思わなかった」などの男のコメントは、偽りのない気持ちに違いない。動画投稿サイトにパンパンと試射する姿を堂々と公開しており、密造、不法所持という罪の認識は微塵(みじん)も感じていないからだ。これまた、恐ろしい。
 プリンターといえば、文書や写真を平面の紙に「刷る」ものと思い浮かべる。だが、3Dプリンターは、コンピューターに入力した3次元のデータを基に立体造形物をつくることができ、樹脂や金属粉などを原料とする。型枠が不要なため、デザインのイメージは無限に広がり、少量、低コストの生産ができるのが特徴。さらに、サイズの縮小・拡大は容易で、数百万色というバリエーション、切削不要という作業効率の向上など、魅力は多い。
 将来的に自動車、航空機の部品、家電、人工骨など医療用模型の作製など、さまざまな分野への応用に期待が膨らむ。一般に普及しはじめ、今では1000ドルを切る家庭用3Dプリンターが販売され、もう手の届くところまで来ていて、ワクワクする。
 世界最大とされる3Dプリンターは、長さが最大150メートルもあり、なんと家屋を建造できるそうだ。これまた、驚き。工費が半減され、工期の短縮(1日に10軒建造可能)、工事の騒音は大幅に減り、余分な建材を出すことはないので環境にも優しいという。ただ、産業用ロボットが、人の労働力を奪ったように将来、大工が不要の時代が来るかも知れず心配になる。
 技術の革新は、産業を発展させ人々の生活を豊かにする一方で、弊害を伴うのが常。放射能は、医療で人命を救うが、使い方を誤ると、人類を滅ぼす兵器となり、発電では大きな事故が起こると、処理に年月を要す。
 今回の逮捕で注目された3Dプリンターの悪用については、法律が追い付いていないと指摘され、法整備が急がれる。軍事や殺人目的に用いられては、ならない。【永田 潤】

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