今は昔か、怒れる若者たち

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 ハイスクールの卒業式もおおむね終わり、ティーンエージャーたちは新たな旅立ちを迎えている。
 日本から高校留学した知人の子も、生まれたときから知っている隣家の子も、すっかり大人っぽい容貌になり、頼もしいかぎり。若者たちの卒業式の光景に接すると、理屈抜きでうれしくなり、身内でもない彼ら一人ひとりに声援を送りたい気持ちになるから、不思議だ。
 かつては、「怒れる若者たち」などと形容されて大人たちから顰蹙(ひんしゅく)を買うことも多い存在だったティーンエージャーたちの行動様式も、この30年のうちにだいぶ様変わりした感じに。
 全米疾病予防管理センターの調べによると、タバコ、アルコール類に手を染めるティーンが減少し、学校や街なかでケンカ沙汰を起こすティーンも減っている。そのかわり、運転しながらメールを送受信する危険性と、ビデオゲームやコンピューターに向き合っている時間が大幅に増加するといった現象が目立っている。
 さらに、もっとも厄介とされる麻薬使用、銃器保持、不純な性行為が減っただけでなく、自転車に乗る時はヘルメットを、車を運転する時はシートベルトを着用するなど、彼らは以前に比べて健全な行動をとるようになっているという。
 過去1カ月のうちで喫煙したことがあるティーンは16%で、27%だった1991年以来で最低を記録。半面、マリファナの喫煙体験は15%から23%に増加している。また、運転中にメールを送受信しているティーンは41%に達している現象は見逃せない。まだその危険性がティーンの間で十分に認識されていない証左か。
 アルコール類は35%のティーンが飲んでいて、性行為については34%が過去3カ月内にあったとしているが、避妊具の使用は60%にとどまっている。
 世界の中でアメリカの影響力が低下してきていることと相応するかのように、ティーンエージャーの覇気も薄れてきているとの見方もあるが、卒業式で見せる彼らのエネルギーは凄まじい。彼らの健全なポテンシャル・エネルギー、潜在的な能力、可能性に期待したいところだ。【石原 嵩】

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