介護コンファレンス:高齢化社会に備える

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認知症、アルツハイマー病について分かりやすく説明するカリフォルニア大学マーセド校理学部分子生物学科の北沢雅史助教授(右)

認知症、アルツハイマー病について分かりやすく説明するカリフォルニア大学マーセド校理学部分子生物学科の北沢雅史助教授(右)


長期介護について説明する敬老シニアヘルスケアの草野可奈子さん

長期介護について説明する敬老シニアヘルスケアの草野可奈子さん


 敬老シニアヘルスケア、オレンジ郡日系協会、ウィンターズバーグ長老教会は7日、介護について考える日本語コンファレンスをサンタアナの同教会内で催した。会場に集まった150人を超える参加者は、高齢化社会に備えるべく、医療、福祉、法律の専門家から多くを学んだ。

 医療分野からは、カリフォルニア大学マーセド校理学部分子生物学科の北沢雅史助教授が、認知症、アルツハイマー病の基礎知識をはじめ、今後の展望と予防について分かりやすく説明した。
 北沢氏によると、アルツハイマー病は脳の老化によるもので誰にでも起り得る病気。遺伝による「若年性」と、年齢による「老人性」の2種類が存在し、老人性の原因は分かっていない。診断される6、7年前から初期症状が始まり、その多くは「少し前の出来事を忘れる」「学習能力が落ちて新しいことを覚えられない」「同じことを何度も言う」「お金や財布を盗まれたと妄想する」など。
 普通の物忘れとの大きな違いは「認識力」で、例えばとある著名人の写真を見せられた時、「顔は認識できるが名前が思い出せない」のは単なる物忘れである一方、「その人が著名人であることが認識できない」場合は、アルツハイマー病の可能性が高い。
 予防策として▽ウォーキングなど1日最低30分の運動▽バランスの取れた食事▽クロスワードパズルや読書、裁縫など頭や手を使う▽ストレスの無い生活を心がける▽禁煙―を挙げ、北沢氏は「社交的な場で脳を活性化させることが大切」とした。
 続いて敬老シニアヘルスケアのヘルスプロモーションスペシャリスト、草野可奈子さんが長期介護について説明。アメリカ国内で65歳以上の比率がもっとも高いコミュニティーは日系で、最近日本の高齢者比率をも上回るほど高齢化社会が進んでおり、日系社会にとって介護は身近な問題であるとした。
 草野さんは、「リタイアメントホーム」「アシステッドリビング」「ボード&ケア」の違いを説明するとともに、長期介護を必要とする状況や費用などについて説明した。
 また法律問題に関しては、上村一昭弁護士とローラ・ワッサーマン弁護士がそれぞれ「遺産相続と後見人制度」について説明。万が一の時に備え、判断能力がしっかりとしている今のうちに前もって財産に関するプランを立てる大切さを強調した。

介護に関するさまざまな情報が提供されたリソースフェア

介護に関するさまざまな情報が提供されたリソースフェア


 午後にはリソースフェアが行われ、介護に関するさまざまな情報が提供された他、健康診断や専門家による無料相談なども行われた。
 オレンジ郡日系協会の小谷洸弘さんは、「OCJAAでは定期的に介護者の集いなどを行っているが、日系社会の高齢化が進むにつれ、日本語で情報を求める人が多くなった。今回、さまざまな分野の専門家との協力が実現し、このコンファレンス開催に至った」といい、予想を上回る150人以上が参加し、そのニーズの高さをうかがわせた。
【中村良子、写真も】

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