アシステッドリビング【上】:家庭的な環境で介護

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妻と入居の筒井さん「まるで家族のよう」

ラグナヒルズにあるJPシニアホームズで、歌のアクティビティーに参加する居住者ら

ラグナヒルズにあるJPシニアホームズで、歌のアクティビティーに参加する居住者ら

 

自宅にいるような環境のアシステッド・リビングに満足していると話す筒井完一郎さん

自宅にいるような環境のアシステッド・リビングに満足していると話す筒井完一郎さん

日本の高齢化が急速に進む今、ここ米国日系社会も相等しい。そこで直面するのが、老後の居住体系。高齢者は自身の健康状態や財政的状況などを考慮し、それぞれに合った住居を選択する。中でも、自宅にいるような環境で介護を受けられる「アシステッド・リビング(AL)」には、90年代中ごろから注目が集まり、全米に4万軒以上が建設されている。アルツハイマー病と診断された妻と一緒に、日本人が運営する州認定のALへ入居した筒井完一郎さん(85)に利用者の声を聞くとともに、「おもてなし」を提供するJPシニアホームズのマキ・シグリストさんに施設について聞いた。2回にわたって紹介する。【中村良子、写真も】

筒井さん夫妻がラグナヒルズにあるJPシニアホームズに入居したのは、昨年4月。日本文化を理解した優しい従業員による介護、おいしい日本食の提供、公園が近くにある閑静な住宅街に建つ一軒家に、6人という少人数での生活に大きな魅力を感じ、妻の和子さんを連れて入居した。

肩の荷が下りた

約12年前にアルツハイマー病と診断された筒井和子さん

約12年前にアルツハイマー病と診断された筒井和子さん

和子さんがアルツハイマー病と診断されたのは、約12年前。当時は、「最後まで自宅で、自分で」と、長年苦楽を共にしてきた妻の介護を筒井さん本人がしていた。症状が進行した後も、介護士の助けを得ながら約10年間、自宅で介護を続けた。
しかし、夫妻が83歳を迎えたころ、2人の年齢や体力などを心配した息子夫婦が同居を提案。「フルタイムで働いているのに、息子は毎日朝3時、4時ごろにわれわれ夫婦の部屋に来て、妻のおむつを取り換えてくれた」
息子夫妻にこれ以上迷惑をかけられないと、筒井さんはオレンジ郡日系協会の「介護する人たちの集う会」で、参加者と情報交換し、介護施設への入居を考えはじめた。
いくつかの施設を見学し、環境や従業員の対応、食事内容などを考慮して入居を決めたのが、JPシニアホームズだった。入居後は、「(息子夫婦に負担をかけなくて済むと思い)肩の荷が下りた」。
健康を考えた三度の食事はもちろん、充実した体操や歌のアクティビティー、健康管理、安全面など、すべてに感謝している。「フィリピン人の優しいスタッフが心を込めて妻と私をケアしてくれ、まるで本当の家族のよう」

「後悔はない」

昨年医師に、和子さんの終えんが近いと告げられた。アルツハイマー病の後期に達している和子さんとは、かつてのように会話を交わすことはない。しかし、筒井さんは穏やかな心でいられるという。「覚悟はできている。できる限りのことはしてきたので、後悔はない」
自宅で1人で和子さんの世話をしていた時は、和子さんの病気にイライラしたこともあった。しかしALに入居後は、「住み込みのスタッフがきちんと介護してくれ安心。再び妻と穏やかな生活を送れるようになり、まるで新婚当時に戻ったかのよう」。
三重県の田舎で生まれ育った筒井さんが、親戚の結婚式で見かけた都会育ちの和子さんに一目惚れし、結婚61年を迎えた。「自宅にいるような環境の中、笑顔の絶えない妻と一緒に暮らせる幸せを、日々感じています」

サポートグループ

オレンジ郡日系協会と小東京サービスセンターでは、アルツハイマー病の家族の介護をする人を対象とした日本語による無料支援グループを開催している。看病にあたる人同士の情報交換や専門家を招いたセミナーをはじめ、経験などを共有するなど、介護者の憩いの場となっている。
▽オレンジ郡日系協会(2190 N. Canal St.)「介護する人たちの集う会」=毎月第3土曜日午後1時から。電話714・283・3551。
▽リトル東京サービスセンター(米国アルツハイマー協会公認)「サウスベイ」(4030 Spencer St. #107, Torrance)=毎月最終土曜日午前10時から正午。「サンファナンドバレー」(12953 Branford St., Pacoima)=毎月第一土曜日午前10時から正午。「ロサンゼルス」(222 S. Hewitt St.)=毎月第4木曜日午前10時から11時半。電話213・473・3035。
(次回はアシステッドリビングについて)

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