大切なものは無償

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 「人生は無料体験レッスンだ」と言ったのは、精神科医のルイス・ターターリャ氏です。「出会った人はすべて、人生の教えを与えてくれる先生だと思う。たとえ、自分より年齢がずいぶん若い人の発言であろうと、子どもの発言であろうと、学ぶべきところはあるはずだ」つまり、人生といういわば無料体験レッスンに参加すると、さまざまな人との出会いがあります。そこで喜びや失敗を学び、教え、そして教えられます。たとえそれが子供であろうと、罵られようと、出会って自分と関わる人はすべて先生だと思えということです。子供から純粋な心を教えてくれるかもしれないし、罵られる相手からは忍耐の大切さや人との関わりの方法を学んでいるのかもしれないからです。私たちは生きていく上でする貴重な体験を、人生において無償で与えられているといえるわけです。
 同じように、生まれつきのこの身体は買ったものではありません。無償で与えられています。普段はあたりまえのように手足が動き、頭が働き、自分のしたいことをして生きていることが普通ですが、何か通常あるべきものがない、できることができないという状況になったときに、人は自分に与えられていたものの大切さを思い出します。心も命も空気も水も自然も、私たちの周りにある大切なものは無償で使わせてもらっているものです。生きている間、無償レンタルしているものです。もっと言うなら、自分の身体や心も家族も命も空気も自然も青空も大地も、私たちに必要なものは自分自身だけのものではありません。だからこそ自分自身を光らせ、他人が輝くのを手伝い、大切なものを次に継承することを思う必要があります。借りたものは次の世代に返さないといけないからです。
 誰もが意識をすることはないかもしれませんが、大切なものは無償で与えられているという意味を深く考えたとき、自分にとって本当に大切なものとは何かを知ることができます。
【朝倉巨瑞】

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