平野頭取、CSR継続を確約:日系と他の地域社会を支援

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三菱東京UFJ銀行

グレッグ・キムラ全米日系人博物館館長(左)の案内で見学する平野信行頭取

グレッグ・キムラ全米日系人博物館館長(左)の案内で見学する平野信行頭取

米国に進出し約150年の長きにわたり地域に根ざした経営を行う「MUFGユニオンバンク」の親会社である三菱東京UFJ銀行頭取兼三菱UFJフィナンシャル・グループ取締役社長の平野信行氏が訪米した。MUFGユニオンバンクが支援する全米日系人博物館を7月22日に見学し、日系とその他の地域社会を支援するCSR(企業の社会貢献活動)を継続することを確約した。

メディアの質問に答える平野頭取

メディアの質問に答える平野頭取

MUFGユニオンバンクは、日系社会に寄付を通したサポートを行っている。同館に対する毎年の10万ドルの献金は、第2次世界大戦にともなう日系人の強制収容への正式謝罪と損害賠償を決めた「戦時収容補償法」署名20年を記念し、2008年から始まり、以来欠かしたことはない。二世ウィークファンデーションには今年も、2万ドルを贈った。
同行は、「企業文化」と位置づける「ダイバーシティ(多様性)」を重視し活動。少数民族社会に進出し、本業のみならず寄付や奉仕などコミュニティー活動にも力を注いで各地域社会と共存する。雇用では、多くの人種を採用し、奉仕活動を奨励、女性従業員の割合は6割を超え、純益の2%をCSRに費やしているという。CSRとしては、東日本大震災の復興支援の一環として「TOMODACHI―MUFG国際交流プログラム」を立ち上げた。2012年から日米の中高生の相互訪問を行なっており、今年は26人の被災生徒が先月25日から当地を訪問し、貴重な経験を積んでいる。
平野頭取は、グレッグ・キムラ館長の案内で館内を回り、日系史についての知識を深めた後、日系メディアを集めた記者会見に臨んだ。同館の役割について「偏見や差別に打ち勝つことを学ぶ絶好の場になっている。心を打たれた」と称賛し、戦時収容補償法については「名誉の回復を伝えている」と評価した。日系移民が戦前から戦後に歩んだ苦難の道のりを察しながら「常にこの国に貢献するというスピリットを持ち続けている」と敬意を表し、同行の活動も同様だとし「アメリカの国のため、地域のために活動してきた。日系人のみなさんと、われわれの行ってきたことが、ちょうど重なりあうことを再確認した」と強調した。

日系人の古い写真を熱心に見る日系人の平野頭取(右)

日系人の古い写真を熱心に見る日系人の平野頭取(右)

ユニオンバンクは、前身の1つである横浜正金銀行が、1886年に米国進出しニューヨーク支店を開設した。日米開戦で撤退を余儀なくされたが、戦後の1952年にカリフォルニア東京銀行として事業を再開。その時に株式を購入するなど出資したのが日系人だったといい、恩返しは寄付という形で表しており、頭取はこうしたCSRに今後も力を注ぐことを約束した。
頭取はまた、専門の金融業や世界・日米経済についても発言した。グローバル化時代を生き抜くには「日本固有の価値である高品質の製品、銀行でいえばフレンドリーなサービスを海外で提供すること」「グローバルスタンダードに常に忠実であるとともに、各地域社会へいかに貢献できるかが重要。それらを統合して、企業の価値を高めていけばいい」と話した。
日米経済については、かつての貿易摩擦に触れた上で「(現在は)各日系企業が地域に根ざしていて、相互にいい関係ができている」と、重要性を説いた。「アメリカは、自由、民主主義、法の支配、自由貿易など、共通の価値観を共有できる数少ないパートナーである」と力を込め、「これからも外交的だけでなく、経済的、社会的にも関係が深まってもらいたい」と願った。【永田潤、写真も】

復元した強制収容所のバッラク前で写真撮影に応じる平野頭取(中央)。右隣がキムラ艦長

復元した強制収容所のバッラク前で写真撮影に応じる平野頭取(中央)。右隣がキムラ艦長

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