中国で敬老を祝う日といえば重陽節が有名です。アイルランドでは50歳から10歳ごと、ニュージーランドやアメリカでは退職時でのお祝いとして敬老を祝いますが、日本のように祝日になる国は少ないようです。
 どのような国や文化的な違いがあっても、老いを敬うという感謝の念は共通なのだと思います。常日頃から敬老への感謝の気持ちを持ち合わせていることが必要です。
 そして日本では100歳以上生きる方が5万人を超える時代となり、世界的にみても長寿の国になり続けています。
 しかしながらたんに長寿であることが幸せというわけではないようです。たとえばアメリカに住む90歳以上のシニアの方に、「90年の人生を振りかえって、後悔していることは何ですか?」という質問をしたデータがあるそうです。挙げられた答えの中で多かったのは、「もっと冒険しておけばよかった」という趣旨の回答だったそうです。90年のうちにはさまざまな冒険や挑戦があったことを想像することは難しくないことです。それでも、人はもっと、もっと冒険をしたいと望むのです。
 人生を、生きる意味から考えた場合、成功をすることが目的ではありません。大切なことは、冒険にチャレンジすることです。成功や失敗は、そのチャレンジの結果でしかなく、挑戦をすることは、その結果よりも何百倍も尊いはずです。
 特に日本からアメリカに渡られた多くの方々は、ご自分の人生で大きな冒険をしたことは間違いないです。それだけ大きな挑戦をしても、これ以上の冒険をしなくても後悔しないと思うでしょうか。いや、それでも、冒険をあきらめようとしない姿が人類の進化を生んできたはずです。
 本当はこの地球に生まれてきただけで冒険なのです。一歩、歩こうとしただけで挑戦なのです。それでも後の人生に後悔することがないように、今できる精いっぱいの冒険をしよう。
 それは自分自身のためであるのと同時に、自分の家族や子孫のためなのです。【朝倉巨瑞】

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