秋・冬への備え

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 南カリフォルニアでは一般に夏というと、レイバー・デーで終わるとされている。今年も9月はじめ、レイバー・デーが過ぎ、学校も新学年に入った。ところが暦の上でも立秋が過ぎて、すでに数週間になるというのに、ロサンゼルス周辺は先週くらいまで日中の気温がセ氏30度台半ばを超えた日もあり、厳しい残暑の日々だった。さすがにここ数日、急に朝晩の涼しさに秋を感じ始めた。見上げる空がこころなしか高く感じ、ようやく「秋立つ」が実感となってきたようだ。
 センチメンタルとはあまり縁のない私だが、秋という響きからは、旅行、運動、読書、食欲など、前向きな行動がつい連想される。ところが、今年も私は健康と体力の問題に阻まれ、これら前向き行動はお預けになりそうだ。
 このところ、エボラ出血熱の世界的蔓延のおそれや、日本におけるデング熱感染者の発見があり、すでに暑い夏のうちから広まりつつあるこのウイルスが、これからもまだ猛威をふるう心配があるのだそうだ。オバマ大統領も西アフリカで拡大するエボラ出血熱の封じ込めに向け、米軍関係者を動員する方針を明らかにしている。
 5年前、新型インフルエンザの世界的大流行があり、私は日本へ行った際、成田空港で到着時に機内で検疫のため、数時間足止めを受けたり、日本滞在中はホテルまで追跡調査された経験があったが、それでも当時は残念ながら日本中にこのウイルスは蔓延してしまい、空港での水際検疫による努力も無駄になったのが記憶に新しい。
 20世紀初頭、世界的に流行したスペイン風邪では感染者が数億人、死者は数千万人といわれた。百年前と現在では医療技術は大きく進歩しているとはいえ、逆に交通手段が進み、交流の機会が多い今では感染は容易であり、決して楽観は許されない。油断は禁物だ。またデング熱は毒性が弱いようでも流行が心配だ。
 地球上には治療法の確立していない感染症がまだかなりあるようだ。この季節は「旅行、運動、読書、食欲の秋」だけでなく、感染予防のための「マスク、手洗い、うがいの秋」という項目も加え、啓蒙しなければならないようだ。【河合将介】

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