防災の日

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 今年も台風・竜巻・集中豪雨・土石流と日本各地を災害が襲った。人は荒れ狂う自然にはただ逃げまどい祈るしかない。
 それでも人々は過去の経験からさまざまなことを学び進歩してきた。各地に残る竜神のいい伝えや津波到達地点の石碑などは、河川の氾濫・土石流や津波の記憶であり現代への警鐘である。
 人の記憶は失われやすく、日常生活に慣れてこれらの教訓を継承しないことが問題である。人々の都会志向や核家族化がこれに拍車をかけて、経験や情報の引き継ぎができない。
 災害への備えは、①自然の観察、②緊急時の備え、③人と人の絆(コミュニケーション)が大切だ。阪神大震災では神戸大学の7人の留学生が命を失った。災害時に言葉が不自由でその国の社会システムにも不案内な留学生は危機に直面する。お祭りや町内の行事に積極的にかかわった学生は、知り合った人たちが逃げ道や救援物資の入手を手助けした。広島の土石流災害も、泥に埋まった人を助け出したのはご近所で付合いのある人々だった。まさに人の絆は緊急時の命綱である。
 土石流災害ではハザードマップの存在や警報システムの大切さが認識された。8割が山地で周囲が海、山麓まで住宅が広がる日本は、全国どこでも崖崩れや地滑り・土石流の危険がある。災害時の避難経路や避難場所、非常食の備蓄、エネルギー確保、自宅の安全度確認など、日頃気をつけるべきことは多い。
 国土強靭化の二つの柱は防災と地方活性化である。9月1日は「防災の日」、安倍首相みずから防災訓練に参加し大切さをアピールした。年に一度とはいえ防災への注意喚起は大いに意味がある。
 いよいよ「実りの秋」、稲が色づき果物が美味しい季節だ。昔からお花見やお月見、お正月やお祭りなどで自然に親しみ感謝を捧げてきた日本人、季節の行事やお祭りは人と人との絆を築く機会だった。便利さを追いかけるばかりでなく、注意深く自然を観察し、謙虚になって感謝の祈りを捧げたい。
 今年のお月見は、すすきを飾りお団子を供え、子供や孫、友人・知人・ご近所などと一緒に自然を楽しみ、人の絆を強める日であってほしい。【若尾龍彦】

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