オレオレ詐欺アメリカ版

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 職場では、日系のボランティア・グループに、必要に応じてマス・メーリングのお手伝いをお願いしている。
 いつもは誰よりも早くやって来て、手際よくメーリングの準備を手伝ってくれるYさんが現れない。さては風邪でも引いたのだろうかと心配していたところへ彼女が現れて、遅刻の理由を説明してくれた。
 家を出ようとしたところへ、孫のマイケルから電話があり、「グランマ、僕今カリフォルニアに来ているんだけれど、警察署に留置されていて、2000ドルなければ出してもらえないんだよ。お金を弁護士事務所へ送ってくれないかなぁ」
 必要ならば可愛い孫のことだから送らないわけではないが「マイケル、あんたの声がおかしいけれど?」
「今風邪を引いているんだよ」
 何かおかしいという第六感に励まされて「あんたのファミリー・ネームは?」と訊いたが答えは正しかった。とりあえず送り先の弁護士事務所の連絡先を書きとめて後で連絡すると約束して電話を切り、娘さんに電話をしたところ、マイケルは家にいるという。Yさんは、「孫可愛さで、もう少しで2000ドルを送るところだった」と言い、一応警察に届けると帰っていった。
 友達にこの話をすると「私も同じ経験をした」という。この詐欺師、同じ犯人とは限らないが、家族構成や名前、電話番号などの個人情報を知っている。プライバシーを守るのも一苦労である。
 ここ一週間の間にわが家にも、不審な電話が3本もかかってきた。一つはIRSだと名乗り、一つは電力会社、あと一つは家族が行ったことのある病院。いずれも未払い残金があり、すぐ支払わなければ送電を止めるだの、取り立てエージェンシーに回すという脅迫めいた内容。どれも適当に話させておいて電話をきってしまった。
 借金が大嫌いな日系シニアなど、うっかり引っかかって疑いもせずクレジットカードの番号を渡してしまうことがあるそうだ。
 オレオレ詐欺は日本だけかと思ったが、どうやら詐欺の手口は万国共通らしい。
 いずれにしても無防備なシニアの犠牲者が多いとか。
 「ご用心!」【川口加代子】

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